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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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えていて、別方向からの攻撃が迫ってくる。疾風が“タキオンマニューバ”を使ったのだ。
「……素直に言って速いな」
「残像が残るのが少々厄介ですが……」
ショウとシュテルの脳裏にはふたりの少女の姿が浮かぶ。疾風や紗那は風のように速いが、ふたりには雷の如く空を翔ける知り合いが居るのだ。この程度の速度ならば目で追うことができる。
「私もいるよ!」
声が聞こえた前方上方にショウが目を向けると、両手を後ろに回した紗那が猛スピードで迫ってきているところだった。
(あれだけの分身を発生させておきながら向かってきているのが一人……)
そのことに違和感を覚えたショウだったが、紗那はショウにたどり着く直前に回転しながら自身に密着させるように分身を発生させた。高速移動しながらの分身にショウの中にも迷いが生じる。が、二人の紗那の片方が逆手に右手から、もう片方が同じく逆手に左手から刀を抜いたところを見て、咄嗟に左手で抜いたほうを右手の剣で突いた。
先ほどまで右手を使っていたから右手を使っている方が本物、というのはあまりにも単純だろう。という思考のもとに攻撃したのだが、攻撃が当たった瞬間に分身が掻き消えた。
しかしショウは二刀流。もう片方の剣は空いている状況であり、もう片方を迎撃する時間は充分にある。そして左手の剣で、さらに接近してきていた紗那を切り払った。……の、だが。
その紗那も消えた。
「っ!?」
そして“下”から聞こえてきた風切音。ショウは両手の剣を引き戻して対処しようと考えるが、それでは間に合わない。そう判断した彼は紗那による一撃をもらう直前、身体を逸らせることで直撃を避けた。しかし、剣先が掠ってジャケットの一部が破ける。
「油断大敵ですよ」
「あのな……少しは心配したらどうなんだ?」
「御冗談を。もしも今のが逆の立場だった場合、あなたは私の心配をしましたか?」
その問いに対しての答えはノーだ。今の状況は自分達から望んだこと。シュテルの付き合いでとも言えるが、自分がそれに同意したことには変わりない。何より……ショウとシュテルにとって互いは最強のライバル。それ故に互いへの信頼が揺らぐことはない。
とはいえ、直撃へと繋がりかねない確かな一撃を食らったことは事実だ。思考を邪魔するかのように間断なく疾風からの攻撃も行われている。
(さて……)
この状況をどのように打破すべきか、とショウは思考する。紗那の自身の速さと分身を併用した攻撃は予想以上に厄介だ。それを疾風の高速移動スキルと近接攻撃や銃撃が後押ししている。
カウンターで返すことはできているが、どちらかが吹き飛ばされてももう片方によるカバーがすかさず入る。それ故に追撃ができず、均衡を崩すことが
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