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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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ようと奮戦したが、それも限界が来た。

 ショウの二刀での振り下ろしを、疾風は受け止めた。だが、ショウは月面宙返りのようにその場で回転すると、下からリラを蹴り上げる。そこからガラ空きになった脇腹に蹴りを叩き込まれた。

「ぐおっ!?」

 さすがにそこで体術が来るとは思わず脇腹にモロに食らってしまい、疾風は体を折り曲げながら吹き飛んでいく。しかしショウは表情を険しくしながら疾風を追った。自分が思っていたよりも手ごたえが薄く、かつ想定よりも遠くまで疾風が飛んで行ったからだ。

「まったく……」

 アバターではなく本人が強いタイプはこれだから困る。そんな風に苦々しく思ってしまったショウ。想定外の攻撃手段であったはずなのに、疾風は動物的な反射速度で自分からショウの蹴りの方向に飛び、威力を可能な限り軽減したのだ。だからこそ疾風はとてつもない速度で飛び去り、今現在ビルの一つに激突していくほどの速度になっていたのだろう。

 ここまで打ち込む時間がありながら紗那があれから姿を見せていないことから考えるに、おそらくここまでは彼らの作戦通りに進んでいるのだろう。そんなことを考えつつ覚悟を決めて疾風を追跡していると、突っ込んで大きな穴が開いたビルから当人が出てくるのが見え、ショウはスピードを上げ……ようとした。だが。

「っと……!?」

 その進路を遮るように目の前に光の風が割り込み、ショウは急ブレーキをかけて静止せざるを得なくなる。通り過ぎて行った光の方を見ると、そこには複数人の紗那がいた。“フォースチャージ”で突っ込んできた後、外したと判断した瞬間にスキルを切って分身を発生させたのだ。

 そこに迫りくる業炎。気が付いた紗那は回避に成功したものの、おそらく直撃を受ければ丸焼きにされていただろう。紗那が姿を現したことでシュテルも行動を再開し、ショウへと合流する。

「はぁ……お前とのタッグは別の意味で疲れるな」

「そうは言いつつ楽しんでいるのは丸分かりですよ。本当にあなたは素直ではありませんね」

「それに関してはお前もだろ」


 今まで以上に複雑な動きをする紗那の分身に惑わされているように見えるが、ショウとシュテルの内心にはこの先の策に打ち勝とうという思いがある。足止めを食らっているようで、二人が合流するのを待っているのだ。

 それを叶えるように疾風が魔力弾を撃ちながら合流してくる。その口元を、疾風は吊り上げた。

「さぁて、クライマックスだ! いくぜ紗那!」

「うん!」

 隙を突いて疾風はスキルカードをリードさせる。その瞬間、疾風の姿が赤い残像を曳きながら掻き消えた。ショウはその爆発的な加速に驚いたものの、次の瞬間には視界の端から迫ってきた攻撃を剣で弾く。しかしその時には既に疾風の姿は消
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