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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十一話 熱戦 ―エキサイト―
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突き破りながら吹き飛んでいく。クリーンヒットしたという手ごたえまではなかったものの、一定のダメージはあったようで分身も消えた。これで終わりではないだろうと思いつつも、それに乗ると決めていたシュテルは紗那に砲撃で追撃を掛けようとする。

「……っ!」

 が、背後からの魔力弾が迫ってきてモーションを解除させられた。その出所は、今もショウと闘い続けている疾風。アンビデクストラスモードは両剣でありながらリラの形状はほぼ維持しているので、そのままの銃撃も可能であるらしい。

「残念だが、俺を忘れてもらっちゃ困るぜ!」

「忘れてはいません。ただショウが抑えてくれると信じていましたので」

「お前……俺を何だと思ってるんだ。完全無欠のヒーローとかと勘違いしてないか」

「していませんよ。あなたはあなた……それは今も昔も変わりません」

 今この場にいる人間で、シュテルの言葉の意味をきちんと理解できた者はいない。それは付き合いの長いショウでもだ。どんなに付き合いが長くても彼女の胸の内の中には読めないものがある。そのへんをはっきりさせてくれないこともあって彼は苦労している部分もあるのだが……

「さすがに二人は余裕だねぇ、話してる余裕があるとはな!」

「それほどでも」

「別に褒められてはないだろ……といか、何でお前はボケッとしてる」

「私の相手は彼女でしたし、楽しく斬りあっているところを邪魔するのもどうかと思いまして」

 相方からの見捨てるような発言にショウはげんなりとした顔をする。だが、ショウの相手をしている疾風の方こそそんな顔をしたくなる気分だった。

 はたから見ればショウが防戦に回っているように見えるかもしれないが、それはつまり決定打を与えられていないということも意味している。こちとら必死こいて打ち込んでいるというのに、かわされるわ防がれるわ……しかも返しての攻撃ができないような受け止め方をされてしまっているのだ。時折魔力弾も交えているのだが、当たるものはなく四方八方に散って行ってしまっている上、軽口まで叩かれてしまっている始末。もう泣けてくる。

 シュテルは飛来する魔力弾こそ回避するが、こちらに介入する素振りは見せない。先ほど言葉にしたように、紗那が出てくるまでは傍観に徹するようだ。客観的に見れば舐められているような気がするだろうが、疾風にしたらそんな感想を抱いている暇すらない。何しろ今相手にしているショウの技量が技量だ。全力で挑んでいるというのに徐々に疾風の方が押され始める。

 こちらの攻撃のパターンを覚え、最適化されていくかのように回避や防御は最低限のものへと変わり、そのぶん疾風に飛来する刃が増える。直撃こそもらってはいないが、掠るようなダメージは入るようになってしまった。どうにかこらえ
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