第7章 聖戦
第168話 蒼穹が落ちる
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。……論語に因ると、かの孔子先生でさえ十を聞いて二理解出来る程度らしいので、俺ならばそのレベルでしょう、多分……。
彼女も有希のように俺の事を過大に評価し過ぎているんじゃないのか?
オイオイ、流石に聞いていない事を……と、かなりの不満を抱きながら考え掛けた俺。しかし、直ぐにそれは、今までの話の流れの中に、先ほどの問いの答えがあったのではないかと言う事実に思い至る。
それは――
「彼。アルザス侯シャルルがどのような勝算があって、今回の独立戦争を挑んで来たのか。本当の処は未だ分かってはいない」
しかし、直ぐに説明を開始するタバサ。認識にズレがあるのなら、そのズレを正せば良い。そう言う感覚。
非常に彼女らしい合理的で、素早い判断だと思う。
「ダンダリオン卿が言うには、アルザス侯爵が手に入れた力はこの星を滅ぼす事も可能なほどの危険な力らしい」
続く彼女の説明。そして大きく成って行く不安。確かに、出来る、出来ないで言うのなら、それほど難しいタイプの術式ではない可能性もある。要は霊的な馬鹿力があれば、俺の考えて居る術は行使可能だと思う。
ただ、有史以来、そんなバカバカしい術を――
「ちょっと待ってくれるか」
確かに不可能ではない。それに、現実に存在しているのかどうか定かではないUFOを呼べると豪語している方々も居るのだから、宇宙の彼方から何か別の物を呼び寄せられる術者と言う存在が世界の何処かに居たとしても不思議ではない……とも思う。
……多分。
しかし――
「そんな地球を滅ぼして終いかねない危険な術式。宇宙の彼方から小惑星や彗星を呼び寄せて、望みの場所に落下させる……などと言う常識の埒外の術式を仮に行使出来たとして、その事に因りアルザス侯に何か利点があるのか?」
例えば自分や、自分を支持してくれる人間、そして、そいつ等が暮らす国には一切の被害が及ばなくする特殊な術式とかが存在するとか。
……そう問い掛けながらも、流石にコレは無茶過ぎる問いだと確信している俺。
そもそも、ダンダリオンが「地球が滅ぼせる」と言うのなら、それは間違いなく滅ぼせるだけの威力を持った術式なのでしょう。俺の記憶が確かならば、恐竜を滅ぼしたと言われている隕石の大きさは直径が十キロから十五キロと推測されている。それに、僅か直径二百メートル程度の隕石でも、墜ちる場所に因っては人類の大半を死滅させる事もあり得るらしい。
ちなみに、ツングースカの大爆発を起こした隕石の大きさは最低三メートルほどだったと言う推定すら存在する。その大きさで広島に落とされた原爆の二百五十倍ほどの破壊力があったらしいので……。
「不明」
小さく首を横に振るタバサ。確かに、如何にダンダリ
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