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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第168話 蒼穹が落ちる
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し――

「一体全体、何処のどいつなんや、こんなくだらない伝承を残したのは」

 ほぼ独り言に等しい内容を溜め息と共に吐き出す俺。
 神話や伝承には、その内容を語り継いで来た人々の思いや願いが籠められているが故に、それだけでかなりの力がある。其処に、現実の事象。今回の例で言うのなら、太陽系外に存在すると言われている彗星の巣からやって来た新たな彗星……と言うモノが重なって、事態を因り深刻な方向に傾けさせた。そう言う事なのでしょう。
 もっとも、偶然。……地球世界に在る伝承や神話と同じような内容がこのハルケギニアで偶然、存在していた……などと呑気に考えるよりは、何らかの意図の元に創り出された物、準備された物だ、と考える方がしっくり来るとは思いますが。
 どちらのサイド。俺に厄介な仕事を押し付けている地球産の連中も然り。この世界をゲーム盤に見立てて、コマを配置している奴も然り。そのどちらも世界の在り様を歪めて、ある程度、自分たちの考えている状況を作り出せる以上、現在の状況を作り出したのがどちらの方なのか、までは流石に分からないのですが。

 何時も通りのくそったれな運命とやらに悪態をひとつ。
 しかし、その瞬間――

「問題ない」

 在らぬ方向。いや、正面にいる彼女を瞳の中心に映しながらも、心の方は別の世界を彷徨っていた俺。
 そのような俺の頬に軽く触れ、現実の世界に呼び戻す事に成功する彼女。
 そして、

「今回の人生は以前のそれとは違う」

 妖精めいた儚げな容姿。その腕や足は同年代の少女たちと比べても明らかに細く、身体全体の肉づきも薄い。
 はっきりと言えば、今の彼女の外見から抱く感情は力強さや、頼もしさなどとは正反対の感情しか抱く事が出来ない。
 しかし――

「大丈夫。今度こそ望みの未来がやって来る」

 その為に……確かな明日を手に入れる為に私は今ここに居る。
 普段は少し眠そうな瞳で、世界を虚無的に見つめるだけの彼女。しかし、今この時は非常に強い視線で俺を射抜く。

 いや、違うか。そう考えてから、心の中でのみ首を横に振る俺。彼女の心に怒りは存在していない。これは真剣な表情。もしかすると彼女は、先ほど俺が発した言葉の中に、僅かながらの弱気のような物を感じ取ったのかも知れない。
 おそらく、これは彼女の決意の表明。ここからは一歩も引かないと言う覚悟の現れ。

 前世の彼女は最終決戦の場に入る事さえ許されなかった。その前世の状況と比べるのなら、確かに今回の生は違うと言える。
 ……今回の彼女は龍の巫女として、俺の霊気を制御する事が出来るようになっているのだから。

「そうやな。その為に俺も此処に帰って来たのやから」

 苦笑にも似た笑みを浮かべながら、そう答える俺。
 そう、実
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