第03話
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プスの機体を引かせる三日月。案の定、
その白い闇の中から数機のMSが鉱山などを突き崩すピッケルのような武装を振るってくる。
それを弾く。機体各部の圧力センサーから阿頼耶識を通じて送られる微細な空気振動から大まかに脅威を察しての回避行動だった。
『くっ新手か―――』
グリムゲルデのほうにも更に2機、人型の肢体に円盤状の頭部が印象的な新手のMS――――ギャラルホルンにてかつて運用されていたMS,ゲイレールを改造した機体、ゲイレール・シュルフリヒターが襲い掛かってきていた。
「くそ、また邪魔が。」
徐々に回復する視界の向こうで、自分と相対するゲイレールのもう一機が紅のガンダムを担ぎ上げている。
『さらばだ小童!!精々、タカを括っていろ―――貴様らのような野良犬ごときには何も成せぬ、どこにも辿り着けぬわッ!!』
紅のガンダムのパイロットの捨て台詞と共に、ゲイレール・シャルフリヒターが両肩のシールドを兼ねる大型装甲を展開――――無数の手榴弾状のものをバラまく。
それは地面に落ちると共に一斉に破裂―――――周囲を農密度の霧で覆い隠した。
『ナノミラーチャフか……この程度の火力では焼き切ることも叶わない。拡散を待つしかないか。』
バルバトスルプスの背後に背中合わせになるように移動したグリムゲルデのパイロット、モンタークが冷静に分析する。
使い勝手の難しいナノミラーチャフ。それにとってあらゆるセンサーやレーダーは機能を喪失する。
こうなっては奇襲を警戒する以外に手はない。鎮火しつつあるスラムの火災程度ではこの霧を焼き払うには火力が足らないし、それを行える装備はバルバトスルプスにもグリムゲルデにもなかったからだ。
「どこに辿り着くか―――それは俺たちが決めるんだよ。」
三日月はその霧の向こうに敵を睨みつけながら、一人呟くのだった。
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