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鉄血のベーオヴォルフズ
第03話
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先ほどのような鋭さはない。
当然だ、このような大型兵装は片腕で扱えば重心がぶれるし、また振りが必然と大げさになるため常に一手遅れる。

バルバトスの太刀のほうが一手、いや二手は先手を取れるはずだ―――だが、その剣筋には鈍りが見え、仕留めるには至らなかった。


『お前らは正義の味方気取りで俺たちと戦っている、だがその俺たちを生み出したのは他のでもない貴様ら自身だ!
 このスラムの連中の不幸は貴様らが鉄華団などというモノを立ち上げなければ今も変わらず暮らしていただろうよっ!!』

紅のガンダムが大剣を振り回し迫る、それを太刀で弾く。
が、次の瞬間には紅のガンダムが機体を振り回し、つぶれた左腕を鞭のように振り回す。
バルバトスルプスの頭部に衝撃――機体が仰け反る。

『図星かっ!!そうだ諸悪の元凶は俺らではなく貴様ら自身だっ!貴様らが戦い、勝利すればするほどヒューマンデブリを望む声は大きくなり、莫大な金が動くッ!!
 そして、仮に俺らを倒そうと第二第三の俺らが現れるだろうッ!!』

紅のガンダムが跳ぶ、スラスターで機体を木の葉のように振り回し遠心力を乗せた一撃を見舞ってくる。
余りに苛烈な攻撃に受け流せず、太刀で受け止めたバルバトスルプスの膝が沈む。

『お前たちにたどり着く場所などない!!朽ちて野に屍を曝すだけとなるだろうッ!!』
「―――――ッ!!!」

その言葉、琴線に触れた。

「それは、お前が決めることじゃ―――ないんだよッ!!!」

バルバトスルプスの両肩が展開、胸部ダクトと両方から増大したエイハヴリアクターの出力の余剰熱が噴き出す。

『ぬぅ、なんだ急に出力が……ッ!? 』

スラスターを噴射、敵を押し退ける。そしてよろけた敵の顔面にアイアンクローがさく裂する。
バルバトスルプスの鋭利な爪の一つが深紅のガンダムの片目に突き刺さり紫電の流血を飛び散らす。

そして、地面に叩きつける。

「俺たちは辿り着く、絶対にだ。邪魔はさせな―――」
『なら何処に辿り着くというッ!!』

顔面に爪をめり込ませ、地面に押さえつけられたまま紅のガンダムを駆る男が言う。

『己の目指したい場所すら分からぬ人間がどこかに辿りつけるモノか―――世界を舐めるな(わっぱ)ッ!!!』
「ごちゃごちゃと……うるさいな、アンタッ!!」


バルバトスルプスが太刀を振りかざす、このまま敵のガンダムの胸元にその切っ先を突き立てれば終わる。
引き絞った弦から矢が放たれるようにバルバトスルプスが太刀を振り下ろ――――せなかった。


「っ!?」

二機のガンダムの間に唐突に手榴弾のようなモノが投げ込まれ、さく裂。視界を白く焼く先行が放たれる。

視界を失い、直感的な危機感からバルバトスル
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