暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D/EXTELLA
旧校舎のディアボロス
アーシアの過去
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も治すことが可能、だろ」
続きを言うと、驚いた表情で俺を見てきた。

 「どうしてトーヤさんが悪魔を治せることを知っているのですか?」

 「なんとなくだよ・・・なんとなくさ。そのせいで何かあったんだろう?」

 「トーヤさんの言う通りです。これは悪魔も治せる力を持っています。そのせいで・・・私はッ」
思い出したのか俯き瞳に涙をため、両手で顔を隠し咽び泣きだした。俺はそっとアーシアの横に移動し背中を撫でる。昔、母がよくしてくれたことだ。
そこで俺は彼女から、「聖女」と祭られた少女の末路を聞いた。

 「私は欧州のとある地方で生まれました。でも、すぐに両親から捨てら、先の協会兼孤児院でシスターと他の身寄りのない子供たちと共に育てられました。子供のころから信仰深く育てられた私は、八つの頃でした。偶然、ケガをした子犬を負傷を聖母の瞳で治したところをカトリック協会の人に見られました。それから私の人生は変わりました。私はカトリック教会の本部に連れて行かれ、主より治癒の力を宿した聖女と崇められました。私は訪れる信者に加護と称して、体の悪いところを治癒してあげる毎日でした・・・でも、私は嬉しかったんです。自分の力が役立つのが。主が授けてくれた事に感謝しました。だけど、私は少しだけ寂しかったんです。友達と呼べる人が一人もいなかったんです。みんな優しくて大事にしてくれました。でも私の友達になってくれる人は一人もいませんでした・・・分かっていたんです。私の力を、まるで異質なものを見るような目で見ていることに。一人の女の子ではなく、人を治療できる生物といった感じでした。そして、その力が私に転機を呼びました」
そこで一旦区切ると、深呼吸して息を整え、話し出した。
ある日、協会の近くにケガを負った悪魔が倒れていた。普通なら協会に伝えそのまま滅ぼすのだが、アーシアはそうは思わず治してしまったそうだ。見捨てられなかった。悪魔といえど治さなくちゃいけない。彼女の優しさがそうさせたのだろう。
それが彼女を奈落の底へ落しいれたのだ。
その光景を偶然見てしまった協会関係者の一人が内部に報告。悪魔を治したという事実に司祭は驚愕した。

 『悪魔を治療できるだと!?』

 『そんなバカなことがあるはずがない!!』

 『治癒の力は神の加護を受けたものにしか効果を及ぼせないはずだ!』
治癒は悪魔を治せるはずがない。これは協会側からしてみれば常識として認知されていた。治癒とは人間の傷を治すもので、悪魔と堕天使の傷を癒せるわけがなかった。逆に治癒をすれば聖なる力によってダメージを受けるからだ。
だが・・・過去に例外があったのだ。
神の加護を受けない悪魔、堕天使すらも治癒できる力。それは、魔女の力と呼ばれるものだ。
そして協会の司祭者たちが少女を異端視するよ
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