第十話 頼み事をします!
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ろに着いた。
「どうしたんですか委員長?」
「我々はこれから取り締まりに行くのですが……」
長い髪を三つ編みにしている少女と一本結びにしている少女が絢芽に聞いた。
「加藤、四方すぐに終わる。甘粕、明石は何かあるか?」
絢芽は三つ編み少女…加藤と一本結びの少女…四方の質問に答えつつ、その隣に居る甘粕、明石に聞いた。
「いいえ。特にありません」
「いたって暇だね」
甘粕はお団子、明石はセミショートで赤いフレームのナイロール眼鏡を掛けている。
砕けた口調で返した明石を赤松が睨んでいたが絢芽は気にせず、口を開いた。
「諸君にやってもらいたいことがある」
その言葉が発せられた瞬間、部屋の空気が緊張感に包まれた。加藤、四方、甘粕の三人は顔が緊張で少しこわばっていたが、赤松は先程と変わらず無表情で明石はのほほんとしたままだった。
「何をやればいいんだい?」
四人を代表して明石が聞いてきた。
「まずはこれを見てくれ」
絢芽は全員に見えるように千冬から貰ったプリントを机に置いた。
そのプリントに目を通した、加藤は顔がますます強ばり、四方は加藤とは逆に獰猛な笑みとなり、甘粕は少し笑い、最後に明石は声を上げて笑った。
その様子を見た絢芽は満足したように頷き、四人に別々の任務を与えた。
四人は任務内容が書かれた命令書を受け取り委員長室を後にした。
「本当によろしいのですか?」
四人が部屋を後にしたあとに赤松が絢芽に質問した。
「何がだ?」
「本当にあの栗林さんは信用できるのですか?もしこの計画が我々を貶める罠の可能性もあるのですよ?」
「罠か……それはないな」
「何故です?」
「あいつは……千冬はそういう人間じゃないからな」
「ならいいのですが……」
絢芽の答えに不満があるのかムスッとした顔となった。
それを見た絢芽は苦笑いつつ携帯電話をポケットから取り出した。
赤松は音を立てないように静かに、絢芽の傍から離れ一礼してから部屋を出ていった。
絢芽は窓際に立ち外の景色を見ながら電話を掛けた。数回コール音が部屋に響き、止まった。
「もしもし、私です。東條です。……ええこちらは大丈夫です。バレてませんよ。………分かっていますよそのぐらい」
絢芽の顔は無表情そのもので淡々としながらある人物に報告した。
「そんなことより、『我々』と志を同じくする人物がいました」
電話口からクスクスと小さな笑い声が聞こえてきた。
「大丈夫です。その人物は私の親友ですから。それよりその親友から頼み事をされまして、現在実行中の任務と並行して行います。よろしいですね?………分かりました。資料は後でそちらに送ります
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