第十話 頼み事をします!
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さい連中がいないからな」
絢芽は嬉しそうに自慢したが、立派な部屋だった。床には赤い絨毯が敷かれ、机は重厚な造りで中央には応接間に置かれている椅子やソファー、テーブルがあり、部屋の隅まで手入れが行き届いており、たった一人の為の部屋にしては豪華すぎた。
千冬は、中央にあるソファーに座り、絢芽は机から移動し千冬の正面にある一人用の椅子に腰を下ろした。
「うるさい連中ってのは……生徒会のこと?」
「そうだ。まったくこっちの事も考えずに好き勝手に命令しやがって……!」
絢芽は生徒会に文句を言うが千冬は仕方がないと思っていた。
「生徒会長があれじゃ〜ね………普通の生徒会長だからね」
「良くも悪くも普通だからなこれと言って特徴が無い、あの生徒会長は。っとそんなことはどうでもいい、相談とは何だ?」
「えっとね……」
千冬が言おうとした瞬間に扉をノックする音が聞こえた。
「入れ」
「失礼します」
赤松と言う少女がお茶を持って入ってきて、千冬、絢芽の目の前にお茶とちょっとしたお菓子を置き、一礼し再び部屋を出て行った。
「えっとね、ちょっと絢芽たちの力を貸してほしいんだ」
「力……何をする気だ?私たちを使って?」
絢芽の目付きが鋭くなったが千冬は気にせず続けた。
「ん〜……強いて言うなら、改革かな?」
「改革…それはまた大層なことだな」
「そんなことないよ。『変わる時が来た』、ただそれだけだよ」
そう言うと千冬はお茶を飲んだ。それを見ながらアヤメは顎に手を当て考える素振りをした。
「具体的には何をやればいい?」
絢芽がそう聞くと千冬はカバンから数枚のプリントを取りだしテーブルの上に置いた。絢芽はそれを手に取り目を通していると段々と口元が歪み始め、読み終わる頃には完全に笑っていた。
見るものが見れば良からぬ事をやろうとする顔に見えるだろう。
「成る程、成る程……これは千冬たちだけでは出来そうにないな」
「だから『アヤメ』に手伝って欲しい」
「そうか……だが私たちだけでは出来んからな……仲間が少ない」
「じゃあ増やそうか」
千冬がそう言うと絢芽は笑い言った。
「そうしよう。私も信頼できる人間に当たろう」
「わかったよ。ありがとね!引き受けてくれて!」
「なに、お安いご用さ」
千冬は笑顔で返し、絢芽も笑顔となり、二人はしばらく笑顔のままだった。
千冬が帰るのを見送ると絢芽は赤松を呼んだ。
「お呼びでしょうか?委員長」
「来たか、加藤、四方、甘粕、明石の四人を呼んでくれ」
「わかりました」
赤松が部屋を出てから数分たってから赤松に引き連れられて四人が部屋に入ってきた。赤松はそのまま絢芽の右後
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