第十話 頼み事をします!
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委員長』である。
その姿を知っていながらも千冬は普通の友人として接してくれることに絢芽は心から感謝している。
が……少し嫌な点もある。
「ねぇ東條?」
「どうした?まだわからない所があるのか?」
「そうじゃなくて……私と一緒に戦車道やろう!」
「やだ」
戦車道への勧誘である。
「え〜……なんで?」
「……はぁ、千冬これで何回目だ?私に戦車道の勧誘してきたのは?」
「え〜っと……15回目?」
「60回目だ!何回言えば分かるんだ私は風紀委員長として忙しいんだ!戦車道をやっている暇なんてない!」
「いやぁ〜…東條が居れば心強いんだけどな……じゃあこの話はまた今度にして……」
絢芽のツッコミを受けると、千冬は話の話題を変えた。
「ちょっと相談したいことがあるんだよね」
千冬は絢芽の耳元で周りに聞こえない大きさで言った。
「相談?何か悩み事か?」
「まあ……そんな感じかな?だから放課後、時間ある?」
「時間か……じゃあ風紀委員室に来てくれ。私はそこで仕事をしているから」
「わかった!ありがとね!」
そういうと千冬は自分の席へ戻っていった。
放課後、千冬は莞奈や多代たちに訓練の指揮を任せると一人で風紀委員室に向かっていた。持ち物は普段から使っているカバン一つ。
風紀委員室の前まで来ると校内にも関わらず小銃を持ち『風紀』と書かれた腕章を身に着けている風紀委員が二人、歩哨のように立っていた。
「ここは風紀委員室ですが、何か御用ですか?」
「東條に会いに来た。栗林千冬が来たと伝えてもらえるかな?」
「少々お待ちください」
そういうと一人の風紀委員が部屋へ入っていったが数分もしないうちに帰ってきた。
「どうぞお入りください」
「失礼します」
扉を開けられ中へ入るとツリ目の少女に絢芽のところまで案内された。
案内されながらも周りの様子を見ていると、多くの風紀委員が忙しそうに書類を整理したり、歩き回ったりしていた。
「みんな真面目だね」
「ありがとうございます」
千冬がそう言うと前を歩く少女は、返事を返したのみで会話が終わった。
四つほど部屋を抜けると『委員長室』と書かれた部屋の前に着いた。
「委員長、栗林さんをお連れしました」
「入ってくれ」
扉を開けると大きな机の上に山積みされた書類を処理している絢芽の姿があった。
「よく来たな千冬、『わが城へ』ようこそ。赤松、お茶を二つ持って来てくれ」
赤松と呼ばれたツリ目の少女は一礼すると部屋を出て行った。
それを確認した千冬は口を開いた。
「随分と立派な城だね」
「そうだろ?ここにはうる
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