SIDE:A
第十六話
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んだ……!
ありがとうゴン太、お前は俺の血肉となって糧にさせてもらうよ。くそ、弱肉強食で自然の摂理だというのは理解しているのに、涙が止まらねぇぜ。
「その、なんだ……。すまんのじゃ……」
「いいんだ、謝らないでくれ。俺たちがするべきことは、今日の糧となってくれるこいつに感謝しながら残さず食べることなんだ」
「――うむ、そうじゃな」
その後は黙々と熊鍋――いや、ゴン太鍋を食べ続けた。食べきれなかった残りの肉は空の巻き物に仕舞い、ゴン太の遺体は丁寧に解体した後にそれらもすべて巻物に仕舞う。命の巡りを悟った今、捨てるなんて考えは俺にはなかった。
肉は食べれるし毛は毛皮として活用できる。血と骨は医薬品として活用できるだろう。
「封入の術!」
クーちゃんにも手伝ってもらった解体した毛皮や骨、肉などをすべて巻物の中へ。あとは巻物をポーチの中に入れてと。
――さて、では気分を切り替えて本題に移るとするか。
パチパチと爆ぜる焚火を挟み腰を下ろす。
「ところで、よくクーちゃん受け入れてくれたね」
「ん? なにがじゃ?」
「今回の修行の件。クーちゃんのことだから今回のサバイバル修行でも一緒にいるかなって思ったんだ。ピンチになった時以外は手助けしないでって言ったでしょ。その通りにしてくれてたからさ、ちょっと意外だなって」
クーちゃんって結構過保護というか、どこに行くにも常に一緒に居たがるのだ。寂しがり屋、という感じではないけれど、なんだろ。使い魔としての矜持? そのくせ他の女性とかと仲良くしたりすると分かりやすく嫉妬するんだ。……やっぱり寂しがり屋なんじゃないかこれ?
「ふーむ。妾たち妖しはな、幼い頃に狩りのやり方というのを学ぶんじゃ。両親からではないぞ? 自分の力で学ぶんじゃ」
「えっと、どういうこと?」
「うむ、つまりじゃな。ミナトの父と同じように我が子を大自然のど真ん中に放り込むのじゃ。妾も父上から崖の上から突き落とされたわい」
「なにそれ超ハードじゃん」
我が子を崖から突き落とすって、ライオンかよ。
この世界の生物は逞しいなぁ、なんて思いながら本題の相談話へと移った。
† † †
「……マジかよ」
クーちゃんから聞いた話の内容があまりにもアレすぎて、乾いた笑いが止まらない。
「これ、軽く忍びの常識覆るよね?」
「うむ、おそらくそうじゃろうな」
「……父さんや爺ちゃんにもこのこと言ったほうがいい
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