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失われし記憶、追憶の日々【精霊使いの剣舞編】
第二十六話「初デート 後編」
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られており、オシャレなデザインをしている。


 このクオリティの割に値段は手頃だし、これも買おうか。銀髪のエストに金は映えると思う。


 店員のお姉さんに髪飾りは別でラッピングしてもらい会計を済ませる。


 ぬいぐるみを袋に入れるか聞かれたが、断っておいた。エストのことだから抱えて歩くだろうし。


 ゆるキャラのような縫いぐるみと遊んでいたエストに呼び、買ってきたやられクマとやらのぬいぐるみを渡す。


 パァッと花が咲いたような雰囲気を纏わせたエストはぬいぐるみを受け取るとギュッと抱き締めた。あまりの強さに顔にしわが寄り不細工になっているやられクマ。嬉しいのは分かるがもう少し力を緩めてあげなさい。


「リシャルト」


「ん?」


「ありがとうございます。エストはこのやられクマを家宝にします」


 そこまで気に入ったのか。まあそこまで喜んでもらえたなら買った俺としても嬉しく思う。


 ぎゅ〜っと抱き締めたまま離さないエストの髪を撫でて、頬の筋肉を緩める。


「家宝はどうかと思うが、喜んでもらえたならなによりだ。さて、ちょっと場所を変えようか」


 左手でぬいぐるみを抱えたエストと右手を繋ぎ、ショッピングモールを後にする。


 デートの最後はここにしようと、予め決めていた場所がある。それが展望公園だ。


 バスに揺られること三十分、展望公園にやってきた。丘陵にそびえ立つ白い展望台を上ると学院生たちが暮らす学院都市が一望できる。


 綺麗な街並みを見張らせるベストスポットだと思うが、あまり女性受けしないのかここを利用する生徒は少ない。


 夕日が地平線の先に沈みかけている。展望台から周囲を見下ろすと、外出している生徒がぽつぽつと減っている気がする。ここの学院生は皆良い子ばかりだから、門限に間に合うように帰宅しているのだろう。


 ちなみに寮の門限は十八時である。


 まだ門限まで一時間以上あるから焦らないでいいな。こんな綺麗な夕日なんだからゆっくり見ていたい。


「――世界は、こんなにも綺麗なのですね」


 不意にそれまでジッと海を眺めていたエストがそんなことを呟いた。風に乗ってながされてしまうほど小さな声量だ。


 その顔には特に表情という表情はないが、なにか感じ入るものがあるのだろうか。どことなくセンチメンタルな雰囲気を纏っている。


 遠くを眺めるエストの目には何が映っているのだろうか。そういえばエストと契約して数か月経つが、彼女のことを詳しく知らないんだよな。


 なぜ祠に封じられていたのか、なぜ俺と契約したのか。エスト自身の過去も含めて知らないことが多い。


「エス
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