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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0038話『説教と倒しきれない敵』
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…いや、先日は情けない姿を見せたなぁ。
北方水姫の直撃を受けた私は速攻大破してしまい、そのまま激痛にのたうち回りたい感情が…。
しかし榛名の姿でそんな無様な事をしたくないというまさに強烈な感情でなんとか押しとどまった。
そして、なんとか『私に構わず攻撃続行だ!』と指示出来たところは褒めてほしい。
そして第二艦隊の面々が夜戦へと突入していくのを見届けたのを皮切りに私はついに意識を手放した…。

そして次に意識を取り戻したのは入渠ドッグに強制的に入れられている時だった。
…いや〜、参った。
みんなが入れ替わり立ち代わり私のとこへとやってくるのでまだ痛む身体を、しかしそれを大丈夫だとなんとか堪えて一息ついていた。
だけどそれから榛名が顔を出してきた。
その顔は泣き顔に彩られていた。

《提督!! どうして大破した後も痛むのを我慢していたのですか!?》
「どうしてって…そりゃ榛名の姿で無様を見せるわけにはいかなかっただろう…?」
《いいんです! 無様でもなんでも素直に提督の感情を出してもいいんです!!》
「しかし…」
《誰だって痛いものは痛いんです! 私だって初めてこの体で大破した時には涙を流しました!
だから提督も弱みを見せてもいいんです! そうじゃないと提督の事を守れなかった私が、馬鹿じゃないですか…》

そう言って榛名は涙をぽたぽたと流しだしている。
ああ…まただ。
泣いている榛名を抱きしめてあげられない自身が情けない。
榛名の事を悲しませたくないために私自らが出撃したのにこうして榛名を悲しませているなんて、なんて矛盾だ…。
私は私を殴りたくなってくる…。
なんでこんな時に限って榛名に触れることが出来ないのか…。
それで私はどうやって榛名の事を慰めようかと思った矢先に隣のドッグにいた人が話しかけてきた。

「はっはっは! 榛名、提督の見栄というものもわかってやらないか」

そこには私と同じく大破か中破をしたのだろう武蔵がゆっくりと入渠ドッグに浸かりながらも寛いでいる姿があった。

「武蔵…お前も大破していたのか…?」
「ああ。攻撃を仕切った後に残っていた戦艦棲姫に手痛い一撃を食らってしまってな…」
「そうか…。あ、戦局はどうなったんだ? 夜戦に入ったのを朦朧とした意識の中でかろうじて見届けたんだけど…」
「その件か…。なんとかA勝利はもぎ取れたという話さ」
「そうか…それならよかった」
「…さて、榛名。少しいいか…?」
《…はい、なんでしょうか武蔵さん…?》

そこで武蔵が少し目を細めて張りつめた空気になりながらも、

「提督はな。好きなお前の前でだらしない姿を見せたくないんだよ…。
今はもう女性になってしまっているがな。
その宿っている魂は男性のままだ。
だから格
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