第二話
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く。
「えーっとそれってさ、ガソリンスタンドとかで補充できる?」
「いや、残念ながら。」
どうやら俺の考えていたことを理解したのか、手を広げて答える木曾。
「取り敢えず、うちのアジトみてぇな所に連れてってやる。そこで色々話そうじゃねえか。」
と言う木曾は俺の艤装にガチャガチャと何か付け始めた。
「んじゃ、出発!」
そう言うと、木曾は海の上を走り始めた。少し後で、体に衝撃。そして、俺の体も動き始めた。成る程、艤装にロープでもくくりつけたか。
俺は起き上がって抵抗するとこもできないので、そのまま引っ張られていった。
少しして、もう遠くになって殆ど見えない砂浜を見ようとした。しかし、もう何も見えない。
「……お前、砂浜の奴らの容態を知りたいんだろ。」
……やっぱりバレてた。
「その様子じゃ察してるんだろうが……俺達は表立って人前に姿を表せないんだ。」
国家機密、とでも言うやつか。
「まぁ、艦娘になった奴らの親族には事情が伝わるし、心配すんな。」
「ちげぇよ。」
「…?」
確かに俺としてはそこも心配だが、それより……。
「俺は多分、マトモな生活は送れねぇんだろうなって……何となく思っただけだよ。」
木曾が急に立ち止まった。俺は立ち止まれる訳も無く、そのまま木曾の足に当たる。
「確かに俺達は兵器だ。人間じゃない。あいつらと戦わないといけない。そういう宿命だ。」
木曾は悲しそうにそう言った。
だが、こう続けた。
「だけど、俺達はいつか安心して海と暮らせるようになる日を目指して戦ってる。」
「それが、俺達艦娘の宿命だ。」
どうやら、木曾が抱いている覚悟は並外れているのだろう。人類のため。世界のため。いつか来るかもしれないその瞬間のために戦っている。
……その覚悟はビシビシ伝わって来たのだが……。
「クマちゃんパンツを見せびらかしながら言っても若干説得力に欠けるけどな。」
俺は今、海の上に寝転がっていて、そのまま木曾の足に当たって止まったんだよね?そのまま動かなかったらさ、見るなって方が無理でしょ。ただまぁ、本人は全くそんなこと思ってなかった訳で。
「ぎゃあああああああああああああああ!!」
そう叫びながら、足を後ろに振り上げた。当然俺の頭にクリーンヒット。
よく小説とかで『目の前の星が〜』とか言うけど、本当に星が見えた。俺の体はその衝撃で宙に浮いた。これこそ一種の人間の夢ではとか思った。
しかし、そんな夢も俺の背中の艤装、というかロープが邪魔した。ピンと張ったロープ。俺が海面に落ちるのも容易に想像
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