暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは『絶対零度の魔導師』
アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
ゼスタ事変A
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るでしょう。」

幸い、以前と違ってそこまで深刻なダメージは無い。さしたる障害は無ければ、リハビリも不要であった。

「こんな言い方をすると可笑しいですが……犯人の方に感謝してください。」

「え?」

「氷で凍結させただけの大雑把な処置でしたが、最小限かつ精密な魔力操作で行われていました。施さなければ失血で、やり過ぎていれば凍傷と低体温で、いずれにせよこんなものでは済まなかったでしょう。」

ましてや、当時のなのははその状態で魔法を使おうとしていたのだ。そんな事をしていたら、命すら落としかねない程に危険な状態だったのだ。むしろこうして順調に回復しているのが奇跡に近い。

「尤も、怪我をさせたのも犯人の方ですから色々複雑でしょうが。」

「ええっと……逮捕してから言わせてもらいます。」

「構いませんが、安静期間は守って下さいね?上司の方にも連絡はしておくので。」

「う…………分かってますよぉ………。」

医師にジト目を向けられ、再度釘を刺されるなのはは拗ねた様な声を出して目をそらす。

(私ってそんなに信用ないかな……?ううん、きっとそんな事無い筈!……だよ、ね?)

残念ながら、こと無茶に対する自制については、なのはの信用度はゼロに等しかったりする。

「……なら、良いのですが。貴女の“前例”については当時の担当医の方からよぉく聞かされてますので。確か……シャマルさんでしたか?」

「うう……あんまり言わないでください。」

言い返そうにも相手が全面的に正しいために反論出来ないなのは。結局、退院許可は貰えたのだがこってり絞られたのだった。










「………落ち着いてきてるね。前回の検診から発作は?」

「えっと……ありません。」

「そうか……よし、お疲れ様。後はお兄ちゃんと話すからね。」

「あ…ありがとうございました。」

そう言って診察室を出ていく氷雪。ミミもそれに付き添っていく。後に残ったのは暁人と氷雪の担当医である若い医師だけだ。

「……ミハイル、氷雪は……安定してきてるって考えていいのか?」

「ああ、そういう意味では君の“治療”は効果を上げている。けど……」

氷雪の担当医であるミハイル・ミハイロフは暁人の“計画”を知っている。暁人の両親に恩があったミハイルは元々『訳アリ』な氷雪を隠す上で大きな役割を担っている。

「……何だ?」

「………この安定は、恐らく一時的なものだ。スノウスフィア自体が安定しない限りは完治とはならない。」

「……やっぱり、か。」

分かってはいた事ではあるが、まだ長い道程を想像し、現実を再認識する暁人。その様子を見てミハイルは何かを言いたそうにしたが止めた。

「……そ
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