アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
ゼスタ事変A
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ゼスタ中央病院
「ッ…………。」
フェイト、はやての二人を撒き、氷雪達を追って病院に着いた暁人だが、ここで新たな問題に直面した。
(何で奴までいる!?)
先に行かせた氷雪だが、何故か待ち合いブースで高町なのはと仲良く談笑している。隣ではミミが青ざめながらキョロキョロと辺りを見回していた。
「(おいミミ、どうなってる!?)」
「(あ、ご主人様!助けてくださーい!)」
「(その前に説明しろ!!)」
「(なんか、ちょっと目を離した隙に仲良くなってたんですー!)」
主従が漫才みたいな会話を繰り広げている間にもなのはと氷雪の会話は盛り上がりを見せていた。
「そっか、氷雪ちゃん、お兄ちゃんが大好きなんだね?」
「はい……自慢のお兄ちゃんです。」
「私にもお兄ちゃんがいるんだけどね、とっても強いんだよ?」
「私のお兄ちゃんも…強いです…。誰にも負けないくらい……。」
「へぇ……会ってみたいな、そのお兄ちゃんに。」
「もう少しで……来る筈なんですけど……」
(まずいな……氷雪の名前も知られてるし、下手したら俺の名前もバレてるかもな。)
とにかく、いまここで姿を表す訳にはいかない。どうしたものかと暁人が思案していると、思わぬ助け船がきた。
「高町さん、検査の時間ですよ?」
「あ、はい!今行きますね!じゃ、行ってくるね?」
看護士に呼ばれ、席を立つなのは。暁人が胸を撫で下ろしたのは言うまでもない。しかし、
「はい……お兄ちゃんと待ってます。」
再び硬直する暁人。氷雪に甘い彼女は恐らく妹の頼みを断り切れない。つまり、彼にとって現状は先程の二人との接触以上の危機なのだ。
(どうする?何か騒動でも起こすか?いや、それで気付かれでもしたら逆効果だ。さっきの二人もまだ俺を探している可能性もある。徒にリスクを増やすだけだ。)
「………不用心に外に出た、俺のミス、か。」
諦めた暁人は、さっきと同じように警告すれば、少なくとも戦闘は避けられると判断し、最愛の妹の元へ向かうのだった。
「……経過は順調ですね、明日にでも退院できるでしょう。ですが、無茶は出来ません。仕事復帰には一週間、戦闘に出るなら二週間は待って下さい。いいですね?」
「………はぁい。」
担当の医師に釘を刺されるなのは。彼女としては二年前のあの一件以来、これでもセーブしているつもりなのだが、それでも周りから見れば無茶を繰り返している様にしか見えない。
世間一般と、彼女の『無茶』という言葉の意味は、相当に食い違っているという事だろう。
「リンカーコアですが、こちらも異常はありません。回復率は五割、後二、三日もすれば全快す
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