第15話<強襲>
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いうことか。
夕立は、なおも喜んでいる。
「ぽいぃ! やっぱりメロンちゃんの仕事? すごいっぽい!」
私は軽く帽子を持ち上げて夕立を振り返らずに正面を向いたまま言った。
「だれだよメロンって……ああ、夕張さんか」
本人が居ないと言いたい放題だな。まあ、夕張さんもメロン程度では怒らないだろうが。
しかし喜んだのもつかの間。
「まだ来る」
寛代の一言で全員がハッとした。
「もう港が近いが、どこかに隠れるところがあったかな……」
私は大きく見える高尾山を見ながら呟いた。
夕立がホルスターを気にしながら言う。
「日向の言った通りっぽい。こうなって来ると、もう拳銃どころじゃないっぽい」
「ソレは言えてるが敵もこっちも極端だよな」
私は帽子を被り直す。まぁ、艦娘が絡むと何事も派手になるな。
夕立の声が続く。
「ねぇ司令、さっきから固まっているっぽい。どっか打ったっぽい?」
「いや……」
相変わらず私は正面しか見ていられない。
「痛いっぽい?」
夕立なりに心配してだろう。私の背中に手を当てて様子を見てくれる。
「おい、ダイジョウブだって!」
気持ちは有り難いが……恥ずかしいのと振り返るのが難しいので困惑する。
「ねぇ、ひょっとして破片が当たったっぽい?」
夕立は銃座を降りて私の真横で片ひざをついた。彼女の太ももにスカートがチラっと見えて……さすがに、これはヤバいヤバい。私は余計に硬直した。
敵の攻撃よりも私が夕立の今の姿勢を直視する方が違う意味での流血惨事になりそうだ。
「良いよ、何とも無い」
私は手を振りながら帽子を深く被って誤魔化した。
「ぽい?」
しかし……さっきの母に対するサポートや、私への心配ぶり……夕立も意外と優しいんだな。
「では、出します」
寛代と状況を確認していた日向は車を発進させた。軍用車は、旧市街へと入って行く。
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