第14話<攻撃待機>
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すると夕立の声。
「ねぇねぇ市街戦? コレ撃って良いっぽい?」
撃つな! ……と言いかけて、また硬直。眩しい太ももがチラッと見えた。やれやれ、私はいったい誰と戦っているのやら。
日向が寛代から何かを聞いている。
「司令、このまま行くと鎮守府まで丸見えになります」
「だろうな」
記憶を手繰ると共同墓地から海沿いの幹線道路へ出る道は山も林もない。もちろん大きな建物もないから狙い撃ちだ。
日向が続ける。
「この先は見通しの良い平地が続くので敵の地上部隊からも攻撃される危険性があります」
私は腕を組む。
「そうだな。下手したら敵の重戦車が来る可能性もあるわけだ」
「えぇ? 重戦車?」
夕立は嬉々としている。おいおい。
冷静な日向は続ける。
「鎮守府へ戻るのは一旦あきらめて港の旧市街地方面へ退避しましょう」
「分かった」
夕立が口を挟む。
「やっぱり市街戦っぽい?」
「夕立は、どうしても話をそっちへ持って行きたいようだな?」
私は前を向いたまま半分怒鳴った。
「えぇ? だってぇ」
恐らく夕立は後ろで口を尖らせているだろう。
私は呟いた。
「どうして艦娘って戦闘になると生き生きするんだろうな?」
だが、そうは言いながらも、まてまて。私も頭に血が上ったかも知れないと思ったので、落ち着こうと深呼吸をした。
「はぁ……まあ、仕方ないか」
艦娘も兵士である以上、戦うことが使命だ。そこは咎めても始まらないよな。
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