158部分:第十四話 袁紹、お宝を探すのことその七
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第十四話 袁紹、お宝を探すのことその七
「あの伝説の」
「赤兜だと」
「はい、何百年も生きたとてつもなく巨大な熊がいると聞いています」
こう関羽達に対して話す。
「しかしそれは南蛮の方にいた筈ですが」
「じゃあ何でここにいるのよ」
「それがわからないのですが」
舞と香澄が孔明の言葉に問い返す。
「それなら」
「どうして」
「それはわかりません。ですが」
何故その赤兜がここにいるのかはミーシャにもわからない。しかしであった。
「ただ」
「ただ?」
「普通の人間の相手になるものじゃありません」
このことを真剣な顔で言うのだった。
「ですからここは」
「そうだな。君子危うきに近寄らずだ」
趙雲がここで言う。
「だからだな」
「はい、これはもうすぐに」
「だから違うのだ」
しかし張飛はまだ言う。
「これはミーシャなのだ。鈴々の友達なのだ」
「それで何なんだよ、ミーシャって」
馬超がその張飛に問う。
「鈴益々と一緒に暮らしていたって?」
「そうなのだ。山の中で一緒に楽しく暮らしていたのだ」
そうだったというのである。
「けれど大きくなり過ぎてお爺ちゃんが山に戻してそれでお別れになったのだ」
「しかしそれは幽州の話だろう?」
関羽がそれを言う。
「ここは官渡だぞ。黄河を挟んでいるしだ」
「違うのだ、ミーシャなのだ」
あくまでそれというのだった。張飛はだ。
「絶対にそうなのだ」
「じゃあ証拠は?」
「あるのだ」
こう舞にも返す。
「その証拠に頭のところが白いのだ」
「赤いですよ」
今度は香澄が言った。
「見事なまでに」
「・・・・・・違ったのだ。熊違いだったのだ」
「間違いありません」
そしてここでまた孔明が言う。
「あれはです。赤兜です」
「逃げるか、ここは」
関羽も流石に青い顔になっている。
「私達の相手になる存在じゃない」
「赤兜は殆ど不死身と聞いています」
孔明の説明が再び来た。
「ですから」
「そうだな、ここは」
「逃げるしかありません!」
こう言ってであった。彼女達も逃げ去る。何とか追って来るその赤兜から逃げようと全速力で駆けはじめた。
袁紹一行は森の中を駆ける。その中でだった。
「皆さんいますわね!」
「は、はい!」
「ここです!」
「います!」
五人から声がしてきた。
「ちゃんといますから」
「安心して下さい」
「それならいいですわ」
それを聞いてまずは安心した声を出す袁紹だった。だがその間も全速力で駆け続けている。当然熊から逃げる為である。その為だ。
「ですがそれでも」
「はい、あんな熊あたいの剣でも斬れませんよ」
「私の鎚でも」
文醜と顔良も駆けている。
「あそこまで
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