『Tear』
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今其の手を放された其の子が可哀想で、此の心臓が痛かったのを憶えてる。
何も出来無いけれど、何かしたくて体が動いた。
棄ててった母親にそっと手を振る君に間違ってるよと言った。
君は解ってるよと柔らかく笑ったんだ。
僕は抱きしめるしかできなかった。
君が歩き出す明日には苦しみが待つだろう...
今は大いに泣いて欲しいと思うのに...
君は柔らかく笑ってるだけ...
ひどく痛い此の心臓を握り潰したくなる。
思う事を上手く伝えることが出来ない僕は、君を連れて帰った。
いつまでも手を繋いであげたかった。
君から大事な心を搾取してったアイツを僕が代わりに苦しめようか。
そう言うと君は初めて綺麗な涙を流して言ったんだ。
震えた声でありがとうって...。
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