第32話
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えない。
私が所々向こうを妨害すれば、兄ならなんとかなる、そう思ったけど…
開始のブザーと同時に驚き、私達は何度も驚くことになる。
「丹下智春は、ヴァンガードで行きます!!」
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スラスターを吹かさず、強い踏み切りでゼロの胸元に潜り込む。ISは原則浮いているのだが、俺の場合、小回りが悪いので、融通を通すためにあえて地に足をつける。遠ければスラスター、近ければステップといった具合に。
ゼロが面喰らった様な顔で下がろうとする。そうだ、それだ!
下がるゼロを追うように、だが少しだけ遅くステップ、そのまま右手の装甲を展開し、巨大なエネルギーの『爪』を出現させ、下から上に、腿から肩に振り上げる!
爪はゼロを掠めるように空を切り、ゼロの顔に一筋の汗を流させた。これでいい。
「今のはヒヤッとさせられた…お返しだ!」
ゼロが手に持った太刀で切りかかってくるが、軌道が綺麗すぎる。イナシて下さいと言わんばかりの攻撃、誘いか?
一瞬スラスターを吹かしながら後方に跳躍、一気にゼロの太刀の範囲から離脱し、読まれた悔しさに舌打ちするゼロに三度ステップ。
今度は左手の装甲を展開し、三股の爪の様な形に。そしてその爪を射出する!
「捕まえたぞ!」
ゼロ掴んだら爪は、繋がっているワイヤーに引かれ高速で戻ってくる。右手を引いて構える。退場してもらおうか!
眼前まで来たゼロから爪を外し、エネルギーを纏ったアッパーで打ち上げる。
高く浮かんだゼロに楽々追い付き、腹部に膝を当て、スラスターを真下に全力で吹かす。終わりだ…!?
降下する直前、ここしかないというタイミングで俺目掛けて弾丸が飛んできた。やむを得ずゼロから離れ、弾丸をやり過ごすが、その合間に、ゼロはミラに救出されていた。状況からして、狙撃されたらしい。
ミラのISは、薄い青の装甲の、射撃戦型のようだ。
ミラにゼロを叩くチャンスを潰されたのは痛いし、これからはミラも積極的になるだろう。
アドバンテージの為に見せたくはなかったが…、使うしかないようだ。
「ヴァンガードの武器を『呼び出し(コール)』する!」
俺が右手を天に掲げると、展開時特有の高周波と光の粒子が発生する。
さあ、戦いはここからだ!
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「…驚いたな」
「織斑先生!」
「ええ、恐らくは初でしょう。確かに、聞くより見るのが分かりやすい」
別室でモニターしていた千冬達はその光景に驚きを隠せない。
それもそのはず、智春の武器は、
「『銀色の鳥』…自律兵器の開発は往々にして進んではいるが…」
「ここまであからさまなのは前代未聞です…」
モニターの向こうでは、智春が両腕の装甲を
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