ガンダムW
1697話
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精力的に動いているだけに、そこに強い疲労の色があるのは、それだけ向こうにとっても最終調整をする際に感じた精神的な負荷が強かったのだろう。
……まぁ、色々と予想外の数値を叩きだしたのだから、それも当然なのだろうが。
ともあれ、こちらとしては機体に合わせるように能力をセーブしたんだが……
ちなみに、原作だとデスサイズヘルとアルトロンガンダムの最終調整にかなりの時間が掛かっていたが……それを数時間程度で終わらせた辺り、デュオや五飛のようなパイロットと、ハワード達科学者の技量の違いを意味しているのだろう。
それに原作だとデュオや五飛はOZから逃げ出しながらの最終調整であった以上、色々と条件が厳しかっただろうし。
『では……最後じゃ。ウイングゼロ最大の特徴、ゼロシステムの調整を行う。暴走を始めたと思ったらすぐに止めるから、安心しろ』
その言葉は、俺がゼロシステムによって暴走すると、半ば確信しているかのようなものだった。
その証拠に、何かあったら外部から強制的にシステムを停止させられるようにしてあるのだから、ハワード達がどれだけゼロシステムを危険視しているかを示しているだろう。
実際、必要とあれば味方さえ撃破するという選択を強いるシステムだ。
普通であれば、その凶悪さがどれだけのものかは考えるまでもないだろう。
ガンダムのパイロットでさえ、全員が最初は暴走した代物だ。
それこそ、最初からゼロシステムを使いこなしたドロシーのような例外を除けば、このシステムがどれだけ危険なのかを示しているだろう。
正直なところ、俺も自分の能力には自信があるが、それでも本当に大丈夫なのかというのは、実際にゼロシステムを起動してみるまでは分からない。
珍しく緊張したまま、ハワードに対して頷きを返す。
「分かった、やってくれ」
『では……行くぞ』
その言葉と共に、ゼロシステムが起動……うん?
一瞬、間違いなくゼロシステムが起動したが、次の瞬間にはその起動が嘘だったかのように、全く何もない普通の状況になっていた。
「うん? どうした、何かあったのか?」
『っ!? なっ……ちょっ、ちょっと待っておれ。恐らくこちらの操作ミスじゃ』
「そうか」
ああ、なるほど。
まぁ、ゼロシステムは下手をすればウイングゼロを暴走させかねない。
それこそ、ここでツインバスターライフルを撃ってしまう可能性すらあるのだ。
幾らいざという時の安全を確保しているとはいえ、ハワード達がミスを犯してしまっても無理はない。
……らしくないとは思うけどな。
『……よいか? では、もう一度行くぞ』
「ああ」
再度連絡が来たハワードの言葉に頷き……次の瞬間、ゼロシステムが起動……した瞬間、再び何もなかったかのように
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