47香里の最後
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回ったりして、王子様二人を見守っていた。
「ああっ」
剣術の心得がない王子は、簡単に舞に定規を奪われ、腕を捻られて背後に回られ、定規を喉元に突きつけられた。
『ふふっ、その程度の業前で私に立ち向かおうとは愚かな』
背後から顎を持ち上げられ、腕を捻られて動けないまま抵抗もできず、唇を奪われる王子。
「「「「「「「キャーーーーッ!」」」」」」」
佐祐理の「魅了」の魔法を見た舞も使い方を覚え、王子を自分の虜にした。
それを見せられた佐祐理のご機嫌が少し悪くなったが、王子のタヒ体は佐祐理の腕の中に転がされ、再びまたたび餌食になった。
『うふ、佐祐理、背が高くて格好良い女の子に目がないんです、貴女も佐祐理の妹になってくれますか?』
「エ? はい……」
その後も舞のキスが欲しい数人の女子が突入して餌食になり、邪魔な男子は蹴り倒された。
舞か佐祐理好みの処女の女子は、魅了の魔法で虜にされ、ゴージャスさゆりんの餌食になって行った。
どこかの天文台。
太陽周辺に、フレアも背景の星の光も透過させない、ガスのような「染み」を観測。各観測所に追試を依頼したい。という報告が相次ぎ、混乱を極めた。
さらに木星周辺でも同様の現象が観測され、ガスでも天体でも無い黒点、黒い帯とでも表現するべき物体の存在が確認された。
木星周辺では小さい衛星が二個ほど行方不明になり、木星を観測する人工衛星も何個か行方不明になった。
問題なのは裂け目の向こう側が、「電波、電磁波がこの宇宙と同じように伝搬しない」「重力や物理法則が、こちら側と違い、普通のガスを通過するように軌道計算もできず、入り込めばどこに行ったか、どうなったかすら予測不能」なのが問題になった。
通常、太陽系全体、太陽圏は高速で移動して銀河を回っているので、もし途中で裂け目を作っても後に置き去りにするはずが、この裂け目は太陽や木星と一緒に付いて来た。
この宇宙での空間の概念ではなく、向こう側の宇宙の物理法則に従って、書き割りのセットが壊れたように、移動する太陽と同じ場所を裂け目も移動していた。
保健室までの道のり。
「そっと、そっとよ」
香里をお姫様抱っこのまま運搬する祐一に寄り添い、できるだけ時間をかけて保健室に行き、二人っきりの時間を作ろうとしている委員長。
階段に近寄ると下段で待ち構えて、祐一が足を踏み外さないよう、香里が落ちないよう気を使って支える。
「お姉ちゃんは私が運びます」
その思惑まで察知した栞が姉を奪い取り、魔物の腕力で小脇に抱えて、右手一本で持ち上げて階段を降りる。
舞お姉様から頂いた大切な特服は、足で踏んだり地面に擦ったりしないよう気をつけたが、姉の方は乱雑に、時には故意に手すりとか柱に当てて「ゴン」とか「ガン」とか鳴らしながら大股
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