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KANON 終わらない悪夢
46眼鏡地味子さん、保健医も快楽堕ち
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に任せた。
 相変わらずお人好しで、どんな女にも発情する夫は別として、人を疑う方法を知っている佐祐理と舞なら、人情に流されず、怪しげな女は放り出してくれると期待した。
『先生? 気分が悪くて顔色も真っ青の時にすみませんけど、先生の目的を教えて頂けませんか?』
 固有結界内なので、尋問と言うより自白させている状態だが、佐祐理は疑わしげな目で侵入者の表情を確かめた。
「はい、私は名雪様をお守りして、お嬢様方(美汐など天野家子女)も、新しく来られた相沢様のお世話をして、今回のような事件が起こらないよう監視させられていました」
『それは家からの指示ですね? 先生自身の目的、ここに来た理由は何ですか?』
 質問に答えられなかった保健医に詰め寄り、家の指示などでは無く、保健医自身の目的を問い質す。
「もっと生きたい、です。まだ死にたくありませんっ」
 泣き崩れた保健医を見て、心の声からも間違いないと感じ、命のビザの発給を許可する佐祐理。
 自分や舞も、栞、美汐といった面々も、「この世が滅びる」と聞いても笑いしか発さず、昨日まで死にながら生きてきた女達は、自分達だけが助かると聞いてもなんとも思わず、「自分も世界も一緒に滅びるなら結構な事だ」と思っていて、祐一を取り返し、命を取り戻しても絶望の方が深く、「将来」「結婚」「出産」「子供」と聞いても絶望が埋まらず、目の前の女のように生に執着して、ここまで泣いて、一体何を目的にしてこうも無様に這いつくばってまで生きたいのか、逆にそんな人間を見たのが信じられなかった。
『はえ〜、先生は自殺歴がないんですね? そんなに生きたいなんて、幸せな人生だったんですね〜?』
「そんな…」
 周りの女達のようなリスカ跡は無いが、才能や家族にも恵まれず、乙女を保って未来予知だけをする巫女。
 早いうちに親からも離され、女の職場で壮絶なイビリ、イジメ、追い落とし合戦の中でどうにか生きて来た日々。
 失格の烙印を押されて末席に追いやられ、外の世界で学んで普通の世界を体験し、ようやく人並みの幸せを得たが、恋愛もできず、戒律に縛られた生活からは逃れられず、とても「幸せだった」などと言えないが、自ら死を願う程の絶望も無かった。
『じゃあ先生には、私達の会の顧問と、保健室か生徒指導室の使用許可を願いしますね。それと一応「お姉さま」になって頂きましょうか?』
 黒い表情をした倉田家直系の娘が行使する、強烈な支配系の術に取り込まれ、名前だけの「お姉さま」にされた保健医。
 さらに通行証として与えられた快楽も、薬物よりも強い依存性を持っていて、一度与えられれば歯向かうことなど許されず、先ほどの生への執着より強い「死ね」と言われれば死ぬ程の依存性を植え付けられ、子種も植え付けられた。
「ひいいいいっ! 気持ちいいいっ、これがっ、これ
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