45穢された仄かな恋、快楽堕ちのヤンキー女
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うのは本当なの? だったら交際も結婚もだめなのよ、ましてや妊娠なんて…」
舞を心配する保健医からも、まともな意見が出されたが、いつも通り舞の答えは異常だった。
『私は仮のイザナミ、天孫降臨の儀式に名雪は選ばれなかった。もし名雪が祐一の妹の座を選んで兄妹で結ばれていれば、人間の数が減ったとしても、この世は続いたかもしれない。でも、そうは成らなかった。選ばれたのは姉である私、滅びの巫女が選ばれて反剋の世が訪れる』
その意味を理解できる立場にいた保健医は、顔面蒼白になり、目眩を起こして突っ伏したが、意味がわからない一般人の教師はまだ舞を責めた。
「何を言っとるんだ君は? また訳の分からない事を言いおって、ふざけるんじゃないっ」
『私は人の世の汚い部分だけ見せられて育った。血の繋がった祖父は、私が母のお腹の中にいる時に復讐者に引き裂かれて殺された。その悲鳴と憎しみの声が私を動かす。母は化け物と契った女と呼ばれて場末の酒場ですら雇ってもらえず、妖狐の一族の家で禁忌を破って妖狐を追い返した女として、小間使い程度として生かされて来た。私は忌み子と呼ばれ、災厄を呼んだ証の娘として虐げられ続けた』
舞の呪詛は、その場の空気をも穢し、一般人の教師の呼吸すら困難にさせた。
「うっ、げほっ、ごほっ」
「どうしたの舞っ?、やめてっ」
親友が吐く余りの呪いに、佐祐理も席を立って止めようとした。
『いいの、喋らせて、佐祐理』
祐一や佐祐理には影響が出ていないので、教師が苦しもうがどうしようが、気にせず続ける。
『それからも「母親を生き返らせた超能力少女」なんてのもあった。テレビにも引っ張り出されて、どこの誰かも知らない病人を「直す」作業。その時から私は、魔物、化け物、悪魔、怪物、鬼と呼ばれて、心は千々に切り裂かれて、昨日まで別々に暮らして、戦って傷つけ合って来た、でもそれも終わり』
秋子の家では、誰かに聞かせたい時以外は盗聴も難しいが、学校内なら誰にでも、どの勢力にも筒抜けなので、舞の言葉は監視者を驚かせた。
『これから祐一は選ばないといけない、私を殺してでも人間を生かすか、選ばれた巫女の中からも人間の種を消して妖狐だけを選んで、天孫降臨の世代まで戻して、不死の神人の子だけが生まれて来るようにするのかを』
そして舞も、半年後の自分が見えないのを知っているので、この結末は自分が始末されて、どうにかして人類が生き残ろうとしたのも予想していた。
魔物で化け物で悪魔で怪物で鬼である自分と、荒ぶる神である祐一の子は、名雪に託して隠したのは誰にも告げなかった。
『舞… 知ってるのね? 貴方がどうなるか、自分がこれからどうなるのかも知ってるのねっ?』
佐祐理も、自分の親友が何者かによって殺されるのか、最愛の人物によって命を絶たれるのかを予測して、こ
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