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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第一話
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「はぁ〜。」

俺はため息をつきながら、同時にベッドに腰を下ろした。

俺のためだけにあるこの部屋。

自分の部屋だから当たり前なのだが、この部屋は今まで俺が生活してきた部屋ではない。今日きたばっかりだ。
…他の娘達は二人一部屋なのだけど、男である俺はそういう訳にも行かない。たまたま空いてた一人部屋で今日は寝る事になった。

そう、この建物には、俺とテートクとかいう奴以外、全員女なのだ。

…言ってる意味が分かんねぇよな。そりゃそうだ。俺にも分からん。昼間あった出来事からあれやこれやと言う間にここに連れてこられた。

ただ、ここが一体どういう所なのかは知っている。

鎮守府。

そう、ここは鎮守府。深海棲艦達と戦うためにある施設。かく言う俺の親父やお袋もその関係の仕事だったから、それなりには知っている。

…ただ、深海棲艦と戦う奴らが女ばっかりってのは初めて聞いた。初耳も初耳、本気で驚いた。なんでそうなのかは知らないが、どうやら戦える奴ってのは艦娘っつって、女しか居ないらしい。
 
ちょっと詳しく話すと、深海棲艦に攻撃する為には、艤装と言われるものを使わなければならないらしい。それを使って初めて深海棲艦にダメージが入るらしい。んで、その艤装を付けられるのが女しか居なかったらしい。

…ただ俺が居る。
 
そう、俺がここに連れてこられたのは他でもない。男である俺が艤装を使う事が出来たから。
 
俺が『木曾』の艤装を使うことができたから。
 
俺が『木曾』だから。
 
俺はスマホのミラーモードを使って、自分の顔を見た。
 
元々中性的だった顔立ちで、昔はそれこそ女の子に間違われたが、前とは明らかに違う点が。
 
右目が、金色だ。
 
生まれつきではない。何時頃こうなったかと言われても、確証は無い。ただ、恐らくあそこであろうという場面はある。

…いや、さらっと言ったけども、かなり大変な事になってるよな俺。どう考えたって色々と有り得ない事が起きまくってる。
 
それもこれも、今日の十一時。きっかけは、友達と浜辺を歩いていた時だった…。
 
 ―八時間前―
 
 
俺は暑い日差しの中、海岸を歩いていた。ミンミンとセミがうるさく鳴いていて、余計な暑さを感じてしまう。
 
「いやー暑いなー。」
 
そう話しかけて来たのは俺の右隣の男だ。名前は橘 悠人。俺の数少ない友人その一だ。
 
「仕方ないよ。夏なんだし。」
 
と、俺の左隣の奴が答えた。こいつの名は長谷川 拓海。俺の数少ない友人その二だ。
 
「それならもうちょい涼しい日に来りゃ良かったろ。何もこんな快晴じゃなくてもさ。」
 
俺はそう答えた。実際あちぃ。
 
「何言ってんだよー。暑いからこそ
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