旧校舎のディアボロス
シスターとはぐれ悪魔
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、瞬く間に傷が塞がりケガの後が一切残っていなかった。
「はい、傷はなくなりましたよ。もう大丈夫」
シスターは子供の頭を撫でると、振り返る。
「すみません。つい」
舌をだし小さく笑う。
何が起きたか分からず仕舞いでいた母親は、頭を下げると、子供をつれてその場から去っていった。
「ありがとう! お姉ちゃん!」
子供が振り返って手を振って、感謝の言葉を伝える。
「ありがとう、お姉ちゃん。だって」
一誠の通訳に嬉しそうに微笑む。
「・・・その力・・・」
「はい。治癒の力です。神様からいただいた素敵なものなんですよ。・・・そう。素晴らしい」
微笑む彼女だが、どこか寂しそうだった。まあ、普通の一般人にとっては異質な力でもあるからな・・・。
そこで会話が途切れ、無言で教会のほうへ足を向ける。公園から数分移動した先に古ぼけた協会が存在していた。
「あ、ここです! 良かったぁ」
地図に描かれたメモと照らし合わせながらシスターが安堵の息を吐く。
ここで合ってたのか。なら、早々に退散するか・・・隣で一誠が身体を震えさせて表情を引きつらせてるからな。心なしか唇が青ざめているように見えた。
「じゃあ、俺たちはここで」
「待ってください!」
その場を去ろうとした俺たちをシスターが呼び止める。
「私をここまで連れてきたお礼を教会で・・・」
「お礼はいいよ」
「そうですか・・・私はアーシア・アルジェントと申します。アーシアと呼んでください」
「俺は神咲棟夜。トーヤでいい」
「俺は兵藤一誠。俺の事はイッセーでいいよ。よろしくアーシア」
「トーヤさん、イッセーさん。必ずまたお会いしましょう!」
深々と頭を下げるアーシア。
・・・純粋無垢な女の子だったけど、あの寂しそうな引っ掛かるな。
そう思いつつ、学校に向かう。
一誠side
「二度と教会に近づいちゃダメよ」
その日の夜。
俺と悠は部室で部長に強く念を押されていた。部長の表情はいつになく険しい。
結構・・・いや、かなり怒られています。
「教会は私たち悪魔にとって敵地。踏み込めばそれだけで神側と悪魔側の間で問題となるわ。今回はあちらもシスターを送ってあげたあなたの厚意を素直に受け止めてくれたみたいだけれど、天使たちはいつも監視しているわ。いつ、光の槍が飛んでくるか分からなかったのよ?」
・・・マジですか? そんな危ない状況だったのか・・・。
そう言えば、あの寒気は尋常じゃなかった。恐怖しかなかったもんな。
あれが危機感。悪魔としての本能が危険を察知したってことか。
「教会の関係者にも関わってはダメよ。特に悪魔祓いエクソシストは我々悪魔の仇敵。神
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