第11話<基地のある街>
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「お前も軍人さんらしくなっているなぁ」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
:第11話<基地のある街>(改2)
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駐車場まで戻ると日向と寛代も待っていた。日向は母親を見ると直ぐに降車して墓参道具を荷台へ入れようとしていた。
真面目で静かな二人だ。墓参の間は何もせずただジッと私たちを待ってたのだろう。
これが青葉だと取材とか言って何処かに行ってしまいそうだ。そういう点で的確な人員配置だったか。僅かな時間とはいえ、ずっと待機してもらったのは悪い気もした。
日向は私が近づくと直ぐ敬礼をした。
「報告します。待機中、異常なし」
「うむ、ご苦労」
私も敬礼を返す。
お盆なので駐車場には何人かの一般の人たちも居て私たちのやり取りを見ていた。敬礼を直ると日向は運転台へ戻る。
私は席を空けた寛代の横に立つと夕立と母親が先に乗り込むのを待った。私が最後に乗り込むと寛代が椅子を戻し助手席に乗り込んだ。
車内で母親が私に聞いてくる。
「お前、すごいな」
「え?」
「お前も軍人さんらしくなっているなぁってことだ」
母親のその感想は、そのまま境港の街の人たちの眼差しにも思えた。ここは昔から基地と共にある街だ。墓参中も私たちの存在が街の人たちに安心感を与えている。そんな印象を受けた。
「ぽい」
笑顔で発する夕立の謎の反応にも、いまは納得が出来る。来るときに道端に居た深海棲艦らしき女性は気になったが、その後の墓参中にも何事もなかった。あれは敵の偵察だったのか?
もしあれが深海棲艦だったとしても大井(仮)ではないのか? 連中にだって同じような風貌の『女性』はたくさん居るだろう。
索敵の寛代も反応せず黙っている。しばらく敵襲もないだろうか。
私が取り留めのない思考を膨らませていると
「司令、お出ししますか?」
日向が淡々と確認してくる。
「……ああ、頼む」
「では」
エンジンが起動した。
周りの市民は、みんな期待の眼で、こっちを見ている。ちょっと恥ずかしいな。
「出します」
「ぽい」
夕立は、さっきからハイテンションだ。このまま無事に実家経由で鎮守府に戻れれば良い。
だが軍用車が、お寺の駐車場から路地へ出たときに私は見た。
この暑い中に、あの厚手の黒っぽい服を着た『女性』が通りの向こうに立って居たのだ。
その刺すような視線を感じて急に鳥肌が立った。
「え?」
さっきとは様子が違う。
「まずい」
これはきっと何かヤバい。寛代も何か察知したのか急にキョロキョロし始めた。
「どうかしま
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