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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic32プライソン戦役終結〜The Truth〜
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自分たちの命どころか住む世界が、残り数分で破壊されるとなるとな・・・。

『残り5分!』

『はやて、まだか!?』

『残り4分!』

時間は無情にも過ぎ去ってく。もう一度「ルシル君!」へ通信を繋げるけど、ノイズしか返って来ぉへん。もう私には祈ることしか出来ひん中で、「衝きて(ピュセーマ)・・・」総部長が術式名を唱え始めた。私は改めて「ルシル君! 応答して、ルシル君!」と通信を繋げるけど、でもノイズしかあらへん。

「もう!」

信じてる、ルシル君の事は。そやけど状況が私を焦らせて、苛立たせる。どんどん大きなってくる“アグレアス”に「間に合わへんのか・・・?」私の心も折れかける。でもそんな時、総部長が「やっとですか」フッと笑って、魔術を解除した。

――魔神の極拳(コード・シグフェズル)――

――宝竜の抱擁(コード・ファフニール)――

“アグレアス”の周囲に、直径100mはあろう巨大なサファイアブルーの円陣が16枚と展開されて、そこからいろんな属性の8頭の龍と8つの巨腕が出て来て、龍は“アグレアス”に絡みついて、巨腕はガシッと艦体を鷲掴んだ。そこからはあっという間やった。“アグレアス”はグシャグシャにへし折られて、ひん曲げられて、握り潰されて、最後には破片1つ残らんほどに燃やし尽くされた。

「こちらヴァスィリーサ。すでにモニターで観ておられるでしょうが、セインテスト調査官の魔法によってアグレアスが破壊されたのを確認。隕石による脅威も本局の艦隊によってじきに収まるでしょう。・・・ミッドは、ミッドチルダは護られました」

総部長が全体通信でそう報告すると、辺り一帯から「おおおおお!」大歓声が上がった。そやけど「ルシル君は!? ルシル君はどこ!?」私たちの前にルシル君が姿を見せへん。

「心配要らないですよ、八神六課長。彼はあそこに・・・」

そう言いながら総部長が指差す方向に目を向けると、「ルシル君!」が居った。12枚の剣翼アンピエルを背に、私に気付いて手を振ってくれた。私はもう待ち切れんくなって「おかえり!」ルシル君の元へと飛んで、そのまま抱き付いた。

「おっと。・・・ああ、ただいま、はやて」

「うん! アイリも、おかえりや!」

『ん〜、ただいま〜!』

ルシル君とユニゾンしてるアイリにも声を掛ける。アイリも無事そうで何よりや。ルシル君は「心配を掛けた。ごめんな?」って微笑みかけてくれて、私はようやく心の底から安堵してルシル君から離れた。

「ルシル君、左目・・・まさか・・・」

右目はしっかり私を見てるのに、光を映してない左目は若干ずれてる。そやから「ごめん! プライソンから左目の事、聞きだす前に・・・!」頭を下げて謝った。“スキュラ”達みんなも失って・・・。


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