生存のエスケープ
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の人があの兵器群を作ってると考えれば、自ら修理するのも理解はできるけど……ああ見えて結構地味な努力をしてるみたい。
『千載一遇のチャンスをふいにされたのはメチャクチャ腹立たしいが、ジョーカーがこっちに来ているなら、ようやくオレ達に運が回ってきたらしい。なにせそいつさえ奪えば、オレ達の勝ちが確定するんだからな!』
「え、どういう意味……?」
『つまり、クイーンにこだわる必要は無くなったんだよ!』
雄叫びと共に再び向かってくる機械竜。それを止めるは少年のレンチメイス。両者の衝突はサイズ差もあって成立しないように見えるが、しかし少年の強さは別格なのか、機械竜の進撃を一人で抑えきれていた。
『しつこいぞ、ジャック未満の雑兵風情が!』
「はぁ……うるさいなぁ」
ヒートアップしてる機械竜の中の人に対し、少年はいたってクールというかマイペースというか、えらく対照的だった。
「逃げて。そこにいたら邪魔」
「え……あ、うん。その……頑張って」
「……いいから早く」
冷たく言い放った少年だが、言ってることに間違いは無いから、私は素直に従って街に向かって再び走り出した。向こうの空で魔導師が声をかけてきた気がするが、それは戦闘の騒音にかき消されて私の耳には届かなかった。
『この……みすみす逃がしてたまるか! 行け、わが鉄の軍団!』
むしろ機械竜の中の人が私を狙って兵器群を動かしてきたことの方が重要で、あちらこちらにいる兵器群から爆弾やビームが私の方に放たれた。両手の刀を必死に動かして全方位攻撃を目まぐるしく防御したり、捻りこみなどの動きで回避したりしているが、こんなの長く持ちこたえられる訳がない。このまま攻撃されれば私の身体が蜂の巣になっていただろうが、私へ攻撃を集中するということは即ち、先程まで兵器群と交戦していたIRVINGや魔導師達への攻撃が緩むということで、彼らは好機と言わんばかりの反撃に打って出た。
その結果、兵器群は次々と撃破されていき、私への攻撃も徐々に減ってきた。さっきの集中攻撃が愚策だったと気づいた機械竜の中の人は、兵器群の攻撃ルーチンを元に戻したが、今の攻防で撃破された分、劣勢に傾きつつあった。
『その気は無かったようですが、囮の役目を果たしてしまいましたね。ところで先程の話を蒸し返すことになりますが、どこに逃げるのですか?』
「どこだっていいよ、今はとにかく戦闘に巻き込まれない安全な場所に身を隠せればそれで!」
街の方へ走る私のすぐ近くでは、魔導師達と鉄の軍団の総力戦が繰り広げられており、時々魔力弾や爆弾などの流れ弾が上や左右から飛んできた。まるで戦場の如き爆風を掻い潜りながら必死に駆け抜け、崩れてくる瓦礫や残骸をスライディングや前転といった動きで回避。しかし
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