生存のエスケープ
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に声を出してどうしました? そこにあるのは、ただのダンボール箱ですが?』
「うん……これ偽装に使えるかなぁ、と」
『偽装? 何のです?』
「いや、これで敵の目を誤魔化せるかな、と」
『それで誤魔化されるのって、相当マヌケじゃないですか?』
「そうかも知れな―――ッ!」
イクスとの受けごたえの最中に冷たい気配を察知した私は、反射的に目の前のダンボール箱を被って身を潜めた。正直、なんで戻らなかったのか私にもわからないが、とにかく体が反応してしまった。ダンボール箱の持ち手部分の隙間から伺うと、窓の外に機械竜の丸い小型ロボットが現れ、そいつはあろうことか窓を突き破って部屋の中に入ってきた。
「……!」
心臓がバクバク鳴る中、小型ロボットは空中に浮かびながら部屋の中を進み、私の隠れるダンボール箱の上を通過、通ってきた際に開けっ放しだった扉の向こうへ移動していった。そして……カザネさんの遺体を見つけるなり、彼女にビームを放って焼却したのだ。そしてそこから先は通れないと判断した小型ロボットは、再びこの部屋の窓を通って外へ出て行った。
ダンボール箱に隠れてる私に気付かなかった点はマヌケではあるが……やったことは非道だ。もし戻ってたら逃げ場が無くなってたし、私がここに来ていなければフーちゃんもあのビームで焼かれていたに違いない。ある意味、間一髪だったようだ。
『私が思うよりマヌケってのは多いようですが、あの行為に苛立ちはしますね』
「アンデッドにされなかっただけマシな方だよ。死を冒涜されずに済んだんだから」
『とにかくダンボール箱を被っていれば、敵の目を誤魔化せると知れたのは僥倖です。見つかりそうな時はこれでやり過ごしましょう』
「効果は一時的だろうけど、それで逃げる時間は十分稼げる。とりあえず一つ持っていこう……」
という訳で状態がそこそこ綺麗なダンボール箱を手に入れた私は、先程の小型ロボットがいないか注意しながら窓を通って、外の路地裏に出た。
路地裏は光源がほとんどなく、足元が見えにくいので抜き足差し足で進んでいき、何とか大通りには出れた。そこからは背中のフーちゃんをあまり揺らさないように気を付けながら走り、敵のロボットに見つかりそうな時はダンボール箱を被ってやり過ごし、戦域から一気に離脱していった。
やがて流れ弾も届かない場所……地上本部の建物がよく見えるクラナガン中央区画にまで走った私は、そこそこ大きな池がある公園のベンチに腰を下ろして休憩した。
「はぁ、はぁ、もう汗だく……こんなに走ったのはあの時以来だよ……」
『あの時?』
「サン・ミゲルを襲撃しに来た、アンデッドに追い掛け回された時……。とにかく……ここまで来ればもう大丈夫……」
なんてことを言
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