昔の兄と今の兄
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兄が消えてから二年がたった。
私は中1になり常盤台学園に通い、level5第3位『超電磁砲』常盤台学園のエースと呼ばれていた。
それでも、兄には会えていなかった。
兄である御坂湊はlevel5第8位『物質破壊』。
「あの馬鹿兄は何処に行ったのかしら……。」
今、私はある公園に来ていた。
常盤台学園の入学式後に寄った特殊な自販機がある公園。
「ほんと、科学先端の学園都市なんて呼ばれてるけど」
私は軽くジャンプしながら、左足を軸にして自販機に右足に電流を流して横蹴りを入れた。
「ちぇいさー!」
ガシャン!と音が鳴ると飲み物が出てきた。
「お金を呑み込む自販機なんてあるし、全然よね。」
出てきたのはヤシの実サイダー。
──今回は当たりね、あ。
遠くから警備ロボの声がした。
私は磁力を使って近くの電灯に登り、上に立った。
その時だった。
警備ロボが通り過ぎた後、先程まで自分がいた自販機の前に一人の少年が歩いてきた。
──あの制服、長点上機学園?
『長点上機学園』
常盤台中学に並ぶ5本の指に入ると言われている名門校の一つ。
遠目からだが、見た感じ自分より年上の少年は自販機にお金を入れ始めた。
「あ……、あの人あの自販機はお金呑み込むことを知らないのかしら?」
私は磁力で地面に降り、その少年に近づく。
案の定、お金は飲み込まれ少年は驚いていた。
だが………。
「ん。」
ガシャン
「え……蹴らないで出てきた!?」
少年の手が自販機に触れた瞬間、1本の飲み物が出てきた。
「え?」
少年は私の声に驚いたのか後ろに振り返った。
その瞬間、私は見覚えがあった。
茶髪に優しそうな顔で細身だが筋肉がしっかりと付いていそうな少年。
──ま、まさか……。
「もしかして、お兄ちゃん……?」
お兄ちゃんと呼ばれた少年は驚きの表情を隠せず、眉間にシワを寄せながら不安そうに聞いてきた。
「……美琴?」
そう、それが2年ぶりの兄である湊との再会だった。
「久しぶりね、お兄ちゃん。」
「うん、久しぶり。」
近くのベンチに座って、一言だけ話した。
──どうしよう……いざ会うと何を話せばいいか分からない……。
私は戸惑った。
いなくなった理由を聞いても良いのか………。
「美琴。」
「ん?」
沈黙を破ったのはお兄ちゃんだった。
「今、何歳?」
「14よ。」
「そっか、大きくなったね。」
お兄ちゃんは微笑みながら私に言った。
「その制服だと常盤台中学校か……。」
「うん、お兄
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