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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第559話】
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!!」


 第二形態移行後、消費エネルギーが格段に増えた白式では長期戦は振りだった。

 だからこそ、一夏には継戦能力を鍛えなければいけなかった。


「一夏、試合開始してまだ十分もたってないぞ!? もう終わりなのかッ!?」

「ッ!! クソォォオオオッ!!!!」


 形振り構わずの特攻――真っ直ぐ突き進む一夏の最後の一撃。

 ヒルトはまたかと思い、迎え撃つのだが――。


「うぉぉおおおっ!! くらえぇぇぇえええッッ!!!!」


 真っ直ぐ突撃と思っていたヒルト、だが一夏は零落白夜の纏った雪片を真っ直ぐ投げてきたのだ。

 いつもと違う戦法に一瞬思考が追い付かなかった――このままでは刃が刺さるかもしれないと考えが過ったその瞬間。


『マスター!(`o´) 切り払うのですよぉ!!o(`へ')○☆パンチ!』

「チィッ!?」


 投擲された雪片を切り払う――纏っていた白亜の光刃が四散し、落下していった。

 だが、まだ模擬戦は終わっていなかった。


「ヒルト! これで勝負はもらったぜ!!」


 そのまま突撃をかけてきた一夏の左手はクロー状に形成された刃がヒルトを襲った。

 一方のヒルトは切り払いからの一連の動きで直ぐ様には動けなかった。


「……やられる……!?」


 エネルギー状の刃だけはイザナギの装甲でも防げない、かといってエネルギーシールドは論外だった。

 緊急回避――だが瞬時加速が加わった白式の短距離加速に関しては他の機体でも敵わない。

 万事休す――そう思った矢先、クロー状の刃が四散したと同時に試合終了のブザーが鳴り響いた。

 夜、1025室。


「……まさか武器を投げてくるとは思わなかったな」


 自室で一人、今日の反省点を洗い流していたヒルト。

 反省点もそうだが、心の何処かで一夏には楽勝で勝てるという慢心が招いた結果かもしれない。

 本来戦うのは嫌いだが、状況がそういう訳にはいかなかった。

 ――と、コンコンッとノックする音が響いた。


「はいはーい。 ちょいお待ちを」


 椅子から立ち上がり、ドアを開くと。


「あっ。 起きてた?」


 開けたドアの先に居たのは未来だった。

 そういえば未来が俺の部屋に来たのはあの時以来だった、二人が初めて交わったあの時から。


「ヒルト。 今日の模擬戦見させてもらったよ?」

「あ……み、見てたのか」

「うん。 ……上がってもいい?」


 別に疚しい気持ちは無いが、未来の無防備さが危うく感じられた。

 勿論、それだけ俺を信頼してるのだろうが。


「あぁ、構わないぞ」
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