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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第560話】
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けにはいかないからちょっと本気だしちゃおうかなーっ」


 屈伸運動するのは黒檀組団長、有坂美冬だ。

 鉱石になってるが気にはしなかった。


「……勝てるかな。 ううん、勝たなきゃ……!」


 白組団長、飯山未来。

 心なしか緊張の色を隠せない未来だったが、その瞳には確固たる意思を感じさせた。


「運動会! ずっと楽しみにしてた! 早く始まらないかなぁ……」


 本当に楽しみらしく、ウキウキと心待にしていたのは黒曜組団長、有坂美春――機体色が黒故なのだろうか、明らかに組名が色ではなくなっていた。


「……転入したての私が団長等と――否、これはせっかく与えてくれた機会だと見る方が賢明か」


 翠組団長、エレン・エメラルド。

 風に靡く緑の髪、組んだ腕に乗っかる二つの膨らみ。

 身長とは不釣り合いなそれだが、彼女自身トランジェスター体型なのだから仕方なかった。

 因みにだが凰鈴音、ラウラ・ボーデヴィッヒの二人を両隣にすると明らかに羨むような視線で見られるエレン・エメラルドだった。

 後、ヒルトと一夏だが身体能力が女子とは違うので基本ISを用いる競技以外では出番はない。

 宣誓を終え、壇上から降りたヒルトに、唐突に後ろから抱き着く楯無。


「お疲れ様、ヒルトくん!」

「……楯無さん、一応皆の前ですので」

「うふふ。 大丈夫よ、一応皆からは見えない死角だから」

「い、いや……明らかに母さんには丸見えになってるから」


 事実、有坂真理亜は二人の行動を微笑ましく見ていた。

 流石にヒルトの母親に見られていたというのは気付かず、赤面するとパッと離れた楯無。


「じゃ、じゃあ、私、実況とかで忙しいから!」


 そう言って脱兎の如く逃げ出した楯無、追いかけようとしたヒルトだったが有坂真理亜に捕まってしまう。


「あらあらぁ? ……うふふ、ヒルトったら……隅におけないわねぇ♪」

「な、何言ってるんだよ母さん……」

「うふふ♪ 娘候補がまた増えたわぁ……♪」


 楽しそうに微笑む真理亜は、その場を離れていく。

 頬を掻くヒルトを他所に、運動会は開催されたのだった。
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