壊された日常と隠された想い
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美琴には黙っておいてください、俺が御坂家から離れる事を。俺は強くなって戻ってきます、必ず。」
「………待ちなさい、少し母さんとも話そう。」
それから美琴が落ち着き眠りについた夜、俺達は三人で話し合った。
「みなくん……それは……!」
「分かってます、でもこれ以上は俺も嫌なんです……。」
「………湊くん。」
父さんは俺に向き直って真剣な顔で話してきた。
「私と美鈴が決めた高校に入り、寮ぐらしをしなさい。」
「ちょっと、パパ!?」
「中学の間は御坂家から離れても良い、だが高校1年生の時に一度戻ってきなさい。守れるかい?」
──3年間は俺との縁を切るってことか……。
「分かりました」
「3年経てば美琴も全てを知っても問題ないはずだからね。でもいつ帰ってきてもいいんだからな、ここは君の"家"なのだから。美鈴もいいかい?」
「………分かったわ、美琴ちゃんには黙っておくわ……。」
「母さん……。」
母さんは俺の横に来て、そっと抱きしめてきた。
「貴方は私の"息子"よ……あの子が必死に私の娘を守ってくれたんだから私だって貴方を守るわ。」
「……母さん……。」
「美琴ちゃんは任せなさい、ただ。」
母さんは俺の顔をみて笑顔で……。
「いつでも帰ってきなさい、だから"いってらっしゃい"。」
「………いってきます、父さん、母さん。」
俺はその日の夜に出る準備を済ませた。
家については父さんが早急にアパートを借りてくれた。
──ありがとう、約2年間。
俺は、自身の部屋にそう挨拶してから美琴が起きないように階段を降りて玄関に向かう。
「みなくん。」
リビングには両親がいた。
「父さん、母さん。」
母さんは俺にある物を渡してきた。
「これは?」
「お守りよ、向こうについたら開けてちょうだい。」
俺は頷いてから靴を履き始めた。
「生活に必要な物は私達が用意しておくから心配しなくていいからね。」
「すみません……何がなにまで……。」
すると母さんは首を振った。
「これは、夢唯が貴方に残していったものよ。」
──母さんが……?
あまりの事実に驚きつつ、俺は微笑んだ。
「ありがとう……本当の母さん。」
そして、玄関の扉に手を伸ばして開けてから……。
「短い間でしたがお世話になりました」
俺は1つ間を置いてからゆっくりと笑顔で。
「いってきます。」
「「いってらっしゃい、湊(みな)くん。」」
そして、俺が美琴に御坂家に次に会うのは3年後の高校1年生だった。
「美鈴。」
「
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