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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第63話 二妻多夫? 三妻多夫?
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くるむも少し送れて現場に駆けつけるが、もう既に全て片付いていた後だった。
当然ながら戦いのシーンなど見られてる筈もなく。
「(あ〜ん……カイトが戦うシーン見れなかったぁ……)」
「ん?」
くるむは、何やらカイトの方を見て、少し落ち込んでるように、肩をがくっ、と落とすのだった。
その意味がいまいち判らないカイトは、ただただ困惑するだけだった。
「どうして……」
全てが終わった後の事。
静かに口を開いた。
「わたし……、皆にひどい事したのに……? どうして……どうして わたしの事なんか……」
ただただ身体を震わせながら、声を絞り出す様に呟く。
あの委員長達相手にも、震える事が無かった。だけど、今は止まる事は無かった。
つくねの返答。それは ゆかりの言葉に対するものとは少しばかり違った。
「……これから仲良くしようね。ゆかりちゃんもう一人じゃないんだからさ!」
助けた理由など、助けに来た理由など言わない。
ただ、友達を助けるのに理由は要らない。そういうことなのだろう。ゆかりには、言葉にしなくともはっきりと判ってしまった。
今まで、判ろうとも判るとも思えなかった事なのに……。
「う…… えぐ……」
止めどなく湧き出てくる涙。
拭っても、拭っても、何度も何度も溢れてくる。辛うじて塞き止める事が出来ていたのだが、その心の壁も次の言葉で崩壊する。
「泣いたっていいさ。我慢なんかしなくていい。……ここの皆、全員がゆかりちゃんの事を受け止めてくれる。もちろんオレもな? これからもよろしく」
側までカイトが来て、ゆかりに笑いかけた。
ゆかりはもう限界だった。
『泣いても良い。受け止める』
誰もが言わなかった言葉だ。とても暖かい言葉だった。
「うわあああん!」
崩落した心の壁は、押し寄せる涙を止める事は出来ず、ただただ流し続けた。
その涙と一緒に、心に出来た大きな傷も洗い流してくれるかの様だった。
「わぁああああん!!わあああああ〜〜〜」
ゆかりは、泣き続けた。
その泣き声は、悲しいものではなく、とても心地よく感じたのは全員同じだった。
「………もう、友達だ。……また、良い友達が出てきた。 ……また、
学園
(
ここ
)
で」
泣いているゆかりの頭を軽く撫でながらカイトは呟いた。
そのカイトの横顔をモカ(裏)は見つめていた。
「………… (カイトも・・・ ひょっとして、表のモカのような経験があるのか・・・?)」
決して口には出さなかった。カイトの言葉は凄く小さく、儚い。
ゆかりの泣き声の方が遥かに大きいため、小さな波は大きな波に
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