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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第63話 二妻多夫? 三妻多夫?
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」
ゆかりは確かに見た。
つくねのその表情は、さっきまでの怒っていたものじゃなかった。
とても優しい。傷ついている筈なのに、……笑顔だった。
「さっきは……、ごめんね。 ……でも、オレにも少しわかったから。ゆかりちゃんの事……。 オレにも力にならせてよ。 だから、もう自分を一人ぼっちだなんて思わないで。オレ達が、皆がいるから。ゆかりちゃんは、1人じゃないから」
ゆかりはまた驚いた。
今日で一体何度目だろうか。今まで11年生きてきて、こんなに驚いた事など、あっただろうか。
今まで、他人で自分に構ってくれて、更に守ってくれる友達みたいなひといなかったから。
「おいおいおいおいおい! どいつもコイツもッ! 私をコケにするなカスどもがァ!! ミンチにしてやるッ!!」
また無視された事に完全にキレた委員長は、もう間髪を入れずに大口を開けながら迫ってきた。忘れられない様に。
つくねに迫ろうとしていたその時だ。
何か、硬い壁のような物にぶつかった様な音がした。一体なんの音だ? と委員長は疑問に思ったのと同時に、顔面に鈍い痛みが走った。
本人自体は何が起きたか判らないだろう。
外から見ていたらよく理解できる。
突然、つくねの前に現れた半透明の物体。その壁に頭から正面衝突したのだ。
「ぎゃああぁぁぁぁ!! か、顔がっっ!! がぁぁぁぁ!!」
牙を剥き出しに、壁に強打してしまったのだ。
自分の攻撃の勢いもあったからか、壁の固さと勢いも合わさって更にダメージを受けた様だ。
その後、呆れた声が響く。
「だから、いってんだろうが。 そもそも、女相手にお前らいったい何人がかりだよ。情けねぇ……」
いつの間にか、つくねの前に立っていたのはカイトだった。
半透明の壁を前に押し出して、委員長を押し出していたのだ。
「カ……カイトさん…… カイトさん、まで……」
ゆかりは、もう我慢出来なかった。
我慢しても、我慢しても、あふれ出てくる様に涙が目頭に集まってきていた。
「(とりあえず無事でよかったよ)後でゆっくり話そうな。新聞部の皆なら……。 皆なら、絶対大丈夫だ。……絶対に」
カイトも、ゆかりに笑いかけた。
つくねも一緒に。
だが、カイトはつくねには苦言を呈する。
「ちょっとは考えて走れよ? つくね。……オレがちょっとでも遅れてたら、怪我じゃすまなかったぞ?」
「あ、あははは……、ごめんカイト。いや ありがとう」
「いいや。……お前の勇気には感服だよ。いつもいつも、ひやひやするがな」
カイトもつくねも、互いに笑いあう。信頼し合ってるのが判る。
あの中に……自
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