暁 〜小説投稿サイト〜
ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第63話 二妻多夫? 三妻多夫?
[5/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
しかしモカは、決して止まらなかった。そして ゆかりを優しい目で見つめていた。
「大丈夫だよ………。わたしが身代わりになるから。 ……ゆかりちゃん 強がっちゃダメだよ。 1人でダメな時は助けを求めて良いんだよ。 だから、もっと素直になってよ。わたしの事好きって言うけど本当は甘える相手が欲しかったんだよね? イタズラも……誰かにかまって欲しいから……でしょう?」
モカは、ゆかりの気持ちが判る。人間の世界の学校に通っていた頃の記憶。孤独だった頃の記憶がゆかりを見て、思い返してしまったのだ。
だから、少し泣き笑いのような表情だった。
「えっ……!? も、モカさん 何を言ってるですか! そんなの知らないです! 早くどっか行ってくださいです!」
モカの言葉は図星だと自身でわかってはいる。 だけど どうしても、今までの経緯があり、他人の事を信じる事が出来ない。そして それ以上に意地を張ってしまう。
それをも見越していたかの様に、ゆかりにモカが続けて言った。
「わたし……、わかってえたんだ。 ゆかりちゃんずっと淋しかったんでしょ 一人ぼっち……辛かったんだよね? わたしもそうなんだ。……ずっと、辛かったの。 だから力になりたい。わたし絶対ゆかりちゃんの事、放っておかないからね? 絶対に……」
その言葉を訊いて、心の中に積み上げられた壁が、拒絶を繰り返してきた心の壁に亀裂が入った気がした。
そして、忘れてはならないのが、委員長の事。
完全に忘れかけていた様だが、まだまだ健在だ。
「何言ってんです!? 私達をシカトするとはナメてるんですか!!!」
完全に忘れられかけていた事に委員長は激怒し仲間にモカを襲わせた。
「やめてェ!!!」
ゆかりは委員長の腕を思いっきり噛み付いた。
「いてぇ!! 何するんです!! このクソガキャあァ!!!」
「きゃああ!」
委員長は、鋭い爪でゆかりを襲った。
ゆかりの小さな身体に迫る凶悪な爪。それがゆかりに当たる事は無かった。
「あ、危ないっ!!!」
その間に入ってくる者がいたからだ。
ゆかりに迫る攻撃を庇ったのは つくね。
攻撃の刹那、殆ど当たる直前に庇った為、ゆかりへの攻撃は阻止する事が出来た。……だが、自分自身を護る事は出来なかった様だ。
「つ、つくねーーーっ!!」
モカの悲鳴が木霊する。
そして、ゆかりは絶句していた。
つくねの背中を見て。……そして、自分を守ったが為傷ついた背中を見てゆかりは驚いた。
なぜ、自分なんかを助けるのか、と。 ずっと酷い事してきた自分なんかを助けてくれるのか、と。
「つくねさんっ!? なっ……なんで? どうして わたしなんかを………
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ