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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第63話 二妻多夫? 三妻多夫?
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の話、魔女裁判は中世の時代では有名だったから。

「 くるむ。ありがとな。説明追加してくれて。人間の世界で言えばそっちの方が判りやすい」
「ふふ、別にいーよ! それくらいさ? でもほんとにつくねって知らないんだね……? 妖の事さ」

 くるむの言葉に、つくねは思わず体を振るわせる。 
 知らないのも当然だ。……つくねは 『人間』であり、更に魔女裁判云々に関しては、実際に魔女と恐れられた人間の話だと解釈していたのだから。

「……知らない方が良いってこともあるだろう? どんな過去があろうが、個人の話には一切関係ないんだ。なのに先入観でその者を判断して……、歪ませて、思考を狂わせて、真に内面を見なくなる。 そんなの悲しいじゃないか。オレ達は皆同じだ。同じ世界に「生きている」んだから」

 つくねはその言葉を聞き、この学校を去ろうとした時のカイトが言ってくれた言葉を思い出した。


《人間であろうと妖怪であろうと同じ命だ。流れる血は違ってもな。大切なのは中身なんじゃないか?》


「(オレ……、知らなかったとはいえ……ゆかりちゃんに酷い事を…………)」

 ゆかりとの話をつくねは思い出していた。
 幾ら手酷い仕打ちを受けたとは言っても、これまでの件に比べたら大したことではない。そして、幾ら自分自身には関係の無い事だったとしても。

 それでも……たった11歳の女の子が受け続けてきた仕打ちに比べたら……。


「そうだね……。 あのコ、本当に今までずっと一人ぼっちだったのかもしれないね……」

 くるむも少し表情を崩していた。

 先程のゆかりの表情は。強がりを続けていたゆかりの表情は、もう霧散してしまっていた。


 一人ぼっち。

  
 この言葉がつくねの頭の中に渦巻き続けていた。

 そして、真の意味で理解をする事が出来た。

 そう、モカがなぜ、あんなにゆかりを庇い続けたのかを。










〜陽海学園 外部〜



 そして、場面は再び代わる。
 乱暴に連れてこられたゆかりは、そのまま乱暴に木に押し当てられた。

「きゃあ!!」
「汚らわしい 汚らわしい……! 魔女とは何て汚らわしい存在でしょう!」

 陽海学園のタブーである人間への変化を解くと言う行為を委員長とその仲間達は完全に破っていた。そう、ここは学園の外だから関係ない、と言わんばかりに。


「いいですか……? 君みたいなコはウチのクラスには要らないんです。 もう、この学園から消えてもらいましょうか!」


 委員長の妖としての姿は 爬虫類の様な顔、そして その顔の皮膚には強靭な鱗が浮かび上がっている。

 その正体はリザードマン。

 取り巻きの男達
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