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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第63話 二妻多夫? 三妻多夫?
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かき消されて殆ど聞こえない。だが、モカの耳には届いた。
その横顔は、穏やかだったのだが 何処か悲しみの様なものも見えていたのだ。
そして、暫くカイトの方を見ていた為、その視線を気付いたくるむは、2人の間に割って入る。
「ああ! ちょっとモカ!? 何カイトに見惚れてんのよ! 言っとくけど、カイトとつくねはわたしのだからね!!」
見つめてるモカを見てくるむはモカがカイトを狙っているんだと思ったのだ。
「なっ!! ち、違うわ馬鹿め!! 身の程を知れ!!」
突然不意打ち気味にそんな事を言われてしまった為、モカは顔を赤らめながら、くるむに蹴りを打ち込む。
「うきゃあああ!!」
モカの蹴りを受けたくるむは飛んでいった。 それは、もちろん比喩ではなく、本当に飛ばされていったのだ。
暫くとんだ後、地面に「んきゃあ!」っと小さな悲鳴を上げて落ちた
モカの蹴りは非常に強力なのだが……くるむは大丈夫だろう。目を回している様だけど、ギャグの様な感じだから。
「……んで、なんだったんだ? オレに何かあるのか? モカ」
くるむの言葉をうのみにする訳じゃないが、用でもあるのか、とモカに話しかけてみると。
思いがけない返事が返ってくる。
「なっ…… 何でもない! た……ただ そうだ! 今回、私の獲物があまりにも手ごたえ無くてな、カイトを一発ぶっ飛ばそうとだな……! 違う! 一度やり合うという約束を果たそうか、と思ってただけだ!」
非常に苦しい言い訳に聞こえなくも無いのだが、等のカイトには十分すぎる弁解。
「あー……、前に言ってた事ね。 今は、そういうのは無理、だろ? ゆかりちゃんだっているし。……ちょい拒否するけど、よろしいかな? モカお嬢様」
苦笑いをしながらそう言うカイト。戦いに慣れだしてきたが、それでも別に戦闘狂と言う訳じゃない。モカの頼みであれば、ある程度は尊重してあげたい気もするが、『血を
寄越せ
(
ちょうだい♪
)
』と『勝負しろ!』は まだまだお預けしたかった。
それに、何よりもモカの一撃は防御しても身体の芯にまで響く。
敵じゃない為、勿論それなりに手加減はしてくれてると思うけれど、そこは流石の『力』の大妖と呼ばれているだけの破壊力は持ち合わせているのだ。
ちょっと気を抜いたら、くるむの様に吹き飛ばされてしまうから。
「ちっ……! 手ごたえのある奴がいないから、お・・・お前とやろうと思ったんだがなッ!」
モカは、そう言って暫く動揺しっぱなしだった。
いつものクールなモカは息を潜めている。その理由が自分にあるのだとすれば、カイトは純粋に嬉しい。モカだって、女の子で女子高生。……戦う為だけの存在なんかじゃない。心がある
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