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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
外伝
外伝『魔弾と聖剣〜竜具を介して心に問う』―終章
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十分に理解できた。あとは、この体が言うことを聞いてくれればいいだけだ――
託されたのは戦姫の概念。
権威をもたらす竜の武具(ヴィラルト)−−力学がもたらす竜の奥技(ヴェーダ)−−そして、摂理を示す竜の神意(ヴェザリア)だ。
かの銀閃から託されたヴィッサリオンのエールを受け取った戦姫は、さっそく竜具を構えなおす。絶望的だった状況と表情から一変。覇気と闘志をその体に宿らせて、目の前の悪魔をにらむ。
そうだ。私たちは戦姫だ。かの勇者が見ているのに、無様な戦いは見せられない!





◇◇◇◇◇





「双暁旋−フランロート!!」

敵への壊滅と、味方への反撃を狼煙上げる攻防一体の《暁の霊鳥―フェニックス》が解き放たれる!――※5

「……君『達』を信じてるよ!バルグレン!」

暖かい笑みを相棒に向ける。そして、戦姫は自ら作り出したの炎で、自らを包み込んだ!

(熱い……熱いね!体も!心も!)

いまや全身に炎をまとった戦姫は、自ら『暁の霊鳥』となって、白鬼の悪魔へ特攻する!
バルグレンが必死に、柄や刃の各部位を戦姫の狙いに追随させる!
この戦姫の特攻は、突撃速度も炎焼速度も、バルグレンが発揮しうる限界を軽く凌駕している!
知覚器官を持たない悪魔は気づいた。−−これはまずい−−と!
理性がなくとも、本能が働く悪魔の判断は、すでに遅かった。撤退を開始した悪魔に、『│暁の霊鳥《フェニックス》』が襲い掛かった!





◇◇◇◇◇





「天地開闢せし灼砕の爪―グロン・ラズルガ!!」天地を紐づける二つの蒼白、《神の爪槍―蒼きグングニルと、白きロンギヌス》が打ち鳴らされる!

(やはりヴィッサリオンは『ただ者』ではありませんわね。ぜひとも我が領国へ招き入れたいですこと)

彼の風から送られてきた新たな『雷禍の概念』は、彼女に雷鳴が轟くがごとく勝機をもたらした。

――『+』プラス――
−−『ー』マイナス−−
それがもたらす大気との『中和』
大気ごと撃ち砕く『雷鞭』の爆発。
鞭にて大地を打ち鳴らそうとするその姿は、かのヤーファに伝わりし『雷神(イカズチノカミ)』を連想させる。雷鼓を激叩する戦姫の姿はまさにそれだったのだ。

(くううううっ!!………腕が、吹き飛びそうになりますわ!)

ヴァリツァイフ。主を守るはずの握部(グリップ)、戦姫が、その絶縁体さえも悲鳴を上げる!
彼女もまた、『竜姫将』なのだ。戦姫が天を操り地を従えたときが、どれほどの威力になるか。
『並列』だった九つの先端を一つに束ねて『直列』に再接続し、――天と地を同時に撃ち崩す雷柱――を見舞う!
その光景はまさしく――天絡(ショート)――
その絶景はまさしく――地絡(ショート)――

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