外伝
外伝『魔弾と聖剣〜竜具を介して心に問う』―終章
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』を引き出せない!)
苦虫をつぶしたような表情のヴィッサリオン。その間もなく、影の戦姫が援護攻撃を開始した!
「もういい!お前は下がれ!虚空突破!」
繰り出されるは、虚影の姫君の大鎌エザンディス。それと同時に煌炎の姫君が追加攻撃を付加する!
「双炎旋!」
戦姫達は、竜技最強の『爪』を引き立てて悪魔に襲い掛かる!
一つは、虚空の彼方へ消し去る裂刃が――
一つは、『朱』と『金』の日輪をまとった双刃が――
それぞれの悪魔へ向けて放たれる!
「……竜技が!消える」
間髪入り乱れる煌炎と虚影の爪。すさまじい勢いで放った竜の奥義であるにも関わらず、これもまた『見えざる壁』に阻まれたかのように、竜の爪がはじかれる。取り直し、すぐさま実刃で切りかかるも、実体のない悪魔が相手では虚空を薙ぐだけに終わる。竜具も竜技も通用しないとはーー!!
新生した悪魔の戦闘能力は見た目以上に高い。いや、そもそも『人ならざる者』の能力を見た目で判断できるほど、人間は次元の優れた存在ではない。
――私たちは戦姫だ。人間ではない……というわけではない――
だが、どの『爪』も雷禍の戦姫と同じ結果で終わってしまうのは、先ほどの交戦結果でわかりきっている。本当に打つ手立てがないものか――
二人の魔物を追跡中であるヴィッサリオンの懸念も、とうとうここで終わる。
黒髪の傭兵は決意する!
(非科学な『悪魔』に対抗するには、『これ』しかない!)
正真正銘の竜の技。それこそが、戦いの終焉を告げる『最終決戦竜技』となる。
『牙』『翼』『爪』……竜の部位すべてをふんだんに使い、高い人間の知能と技巧を駆使して、竜の姿から竜の技を繰り出す。
純粋な力学。どのようなまやかしでも、それらは決して打ち消されることがない――
そのことを伝えたいヴィッサリオンは、アリファールの風に直接『意志』を乗せて、戦場の姫君達に語り掛ける。正確には、ヴァリツァイフに。エザンディスに。バルグレンに――
――竜具を介して心に触れる――ことで、言葉による伝達手段より、そのまま彼女の心に接触する方法のほうが、遥かに効率がいい。
《雷禍の姫様!『並列』ではいけない!九つの尾を『直列』に束ねるんだ!》「……チョク……レツ?」
《煌炎の姫君!相反する性質の『炎』同士を一つにして『暁』を示現させるんだ!》「……アカ……ツキ?」
《虚影の戦姫!『空間』同士を結び付けて『重力』を引き延ばすんだ!》「ジュウ……リョク?」
未知の言葉。概念。方法。それらはこの戦張極まる中、言葉での伝達は不可能だ。
先ほどヴィッサリオンが『銀閃』で伝えたことが、追記となって戦姫の意識に入り込む。言い表すことができないが
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