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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
外伝
外伝『魔弾と聖剣〜竜具を介して心に問う』―終章
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わせ、螺旋機構に変形させてヴィッサリオンの懐に潜り込む。

――掘削機構(ドリル)か!ならばこれでどうだ!

「銀閃殺法――海竜閃(リヴァイアサン)大海嘯(タイダルウェイブ)!!」

だが、ヴィッサリオンもまた白鬼の『ねじり』に対して聖剣の『ひねり』で迎え撃つ!

「ぬおおおおおおおおお!!」
「はあああおおおおおお!!」

白鬼の捻角と白銀の獲物が互いの回転力(トルク)により激突し、火花を散らし、衝撃をはじき返す!
先に迎撃態勢を整え、再閃を放ったのはヴィッサリオンのほうだ。

「銀閃殺法――海竜閃(リヴァイアサン)銀流星(シルヴミーティオ)!!」

交差ぎみで撃ち込まれた片刃の聖剣が、トルバランの上半身を粉砕する!
斬撃の流星雨を浴びせられたトルバランは、遥か彼方まで吹き散らされる。2アルシンはあろう白鬼の巨体を悠々と弾き飛ばした剣腕は、戦姫達の表情を驚愕に染めた。

(……すごい!本気を出したヴィッサリオンが、ここまで強かったなんて!)

白い肌。黒い角。2アルシン以上の巨体。そのような「人ならざるもの」が突如出てきたにも関わらず、ヴィッサリオンは『激しく冷静』なままで対処している。一体彼は何者なのかーー
何から何に驚いたらいいか、道筋すら見えない。でもーー

(逃がすものか!)

ほぼ半壊状態のトルバランを見て、黒髪の聖剣士は勝機を見た。再生行動が追い付かず、もたついていトルバランに『とどめ』を打つ瞬間ーーこれを逃す手立てはない。
あの白鬼は異常なまでの再生を持つことを、ヴィッサリオンは『知識』として知っている。彼もまた、重厚な鉄の領域に身を躍らせながら、トルバランを追撃する。
だが、上空からさらに『人ならざる者』の指令が飛び交う。

――逃げるのじゃ!早く!――

『老婆』によって発せられた――言葉でない伝令が『悪魔』と『魔物』に飛び交う。
激しい『息』のせめぎあいを放棄して、三人の戦姫から逃れた悪魔もまた、『本陣』へ逃亡を図る。

〈――――。――――、――――――。〉」

言語をなさない発音源は、あの黒竜から囁かれる。言語の意味は理解できなくとも、何を意味するかは、すでに理解していた。次の光景が目に飛び込んできたとき、戦姫一同は驚愕に目を剥いた。

「……まさか!」

カンの鋭い煌炎の姫君の警戒が、一層に強くなる。
悪魔の『首』・『首』・『首』……計3つの首が消失――体から引きちぎられるような現象を通じて分離し、ゆらりゆらりと舞い上がった『それ』は、呻きながら鉄の地面に着地し、激しくゆらめきながら、『フクロ―炎の白鬼』・『ホウキ―雷の老婆』・『ランプー闇の魔人』のような形を得た。まるで御伽噺の絵本から飛び出たような。小さいころに読み聞かせてもらった記憶どおり
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