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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十二話 暴言
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か声を出さずにいた。

「それに打ち勝つ為に選んだのは、当時はまだ安全性が危うかったカードリッジシステムの使用」

シグナムの言葉に、アスカは思い当たる節があった。

(カードリッジシステムが主流になり始めたのが10年くらい前だってオヤジが言ってたな…計算は合う、か)

「身体への負担を無視して、自身の限界値を越えた出力を無理矢理引き出すフルドライブ。エクシードモード」

映像に過激さが増す。

限界値を超えたなのはの魔法が”闇の書”本体に攻撃を仕掛けたシーン。

アスカはティアナに目を向けた。

ティアナは信じられないと目を見開いてモニターを見ている。

「……」

アスカは何も言わず、再びモニターに目を向ける。

「誰かを救う為、自分の思いを通す為の無茶を、なのはは続けた。だが、そんな無茶を繰り返して身体に負担が生じない筈もなかった」

シグナムの声に苦しみの音が混ざる。

「事故が起きたのは、入局2年目の冬」

シャマルがモニターの映像を切り替えた。雪が降っている映像が映る。

「異世界での捜査任務の帰り、ヴィータちゃんや部隊の仲間達と一緒に出かけた場所、不意に現れた未確認体」

「「「「「!!!!!」」」」」

画像が切り替わり、フォワードメンバーは絶句した。

そこには、血塗れで横たわるなのはが映っていたのだ。

「いつものなのはちゃんなら、きっと何の問題も無く味方を守って落とせる筈だった相手」

ヴィータがなのはを抱きかかえ、必死に声を掛けている映像が流れる。

「……いつもの状態、ではなかったんですね」

アスカが言うと、シャマルは頷いた。

「溜まっていた疲労。続けていた無茶が…なのはちゃんの動きを、ほんの少しだけ鈍らせちゃった」

そこで黙り込むシャマル。何か、悩んでいるように俯く。

「シャマル」

シグナムがシャマルを促した。見せてやれ、と小さく囁く。

「その結果が……これ…」

次に映し出されたのは、病院のベッドでいくつものチューブを身体に刺し、横たわっている包帯姿のなのはだった。

あまりのショックに、フォワードはただモニターを見る事しかできなかった。

無意識のうちに、エリオとキャロがアスカを掴んでくる。

アスカは二人を抱き寄せて、大丈夫だ、と安心させる。

「なのはちゃん、無茶して迷惑掛けてごめんなさいって、私達の前では笑っていたけど、もう飛べなくなるかもとか、立って歩く事さえできなくなるかもって聞かされて…どんな思いだったか」

最後の方は涙声になるシャマル。

映像は、なのはが必死にリハビリを行っているシーンになっている。

思うように動かない身体を、何とか動かそうとするなのは。

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