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銀河HP伝説
趣味レート事件
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『そうそうそれだ(ね)!!』
と、さほど芸術に関心のなかった二人がハモったところで、メックリンガーの邸についた。2階建てであるが、左右に広い優雅な白を基調とした邸宅だ。
「ようこそ、我が邸に。ワーレン提督、どうぞこちらに。」
緊張したワーレンをメックリンガーが優雅に迎え入れる。ぞろぞろと一同もそれに続く。玄関を抜け、奥にはいると広いリビングのような物に出た。
「おぉ!!ピアノではないか!!」
物珍しそうに駆け寄ろうとするビッテンフェルトを、いち早くメックリンガーの合図を受けたルッツ、ケンプ、アイゼナッハらが取り押さえる。
「駄目だ。ビッテンフェルト、落ち着け。今日はワーレンの為にやってきたのだ。」
ミッターマイヤーに諭されたビッテンフェルトはおとなしく用意された椅子に座った。
「どうも皆の前で教わるというのはなぁ。」
と、ワーレンが言ったために、提督たちは別室で待つことになった。こういうこともあろうかと、メックリンガーは執事や従僕たちに言いつけて、簡単な軽食やワインなどを用意していたのである。ほどなくして優雅な旋律が聞こえ始めたのは、メックリンガーの手によるものだろう。
「バッハのメヌエットか、初めて習うのであれば無難なところではないか。」
ロイエンタールがワイングラスを傾けながら言う。それをきっかけに、諸提督たちはワイワイと話し始める。
「キラキラ星よりはましだろ。」
「あれは学芸会でよく弾くやつだからな。」
「しかし、弾けるのかね。我らが提督は。」
「そうよね、ピアノなんていじったことなさそうだし。」
「大丈夫だろう。なんといってもワーレンは器用貧乏だからな。軍務においてはどの任務も堅実にこなしてきたことを卿等は知っているだろう?」
「う〜ん、軍務と趣味とは少し違うと思うのよ・・・・。」
「お、メックリンガーの演奏が終わったみたいだぞ。ワーレンの番か?」
ビッテンフェルトの声に一同はシ〜ンと次の間に耳を澄ました。メックリンガーの低い声が聞こえるのは、楽譜と鍵盤の配置の説明でもしているのだろう。時折、ピン、という音が聞こえるのは試しに押しているのに違いない。それも聞こえなくなり、いよいよ演奏が始まるのだと、提督たちはかたずをのんで見守っていた。


ピン!!ダン!!ピ〜ン!!ピ〜〜〜〜〜〜!!!


全く突然にそれはやってきた。まるでピアノを見たことのない人間が力いっぱい押し続けている・・・いや、叩きつづけているかのように、とんでもない不協和音が飛び込んできたのである。

 メックリンガーが何やら叫ぶ声が聞こえた。

「わぁ!!」
「これはたまらん!!」
「どこをどうすればこんな音が出るのだ!!??」
「やめろ、やめてくれぇ!!」
「耳が壊れる!!!」
「逃げろ!!」
誰かが叫んだ。
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