趣味レート事件
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ことを言うのです。」
「何?!そうなのか、いや悪かったな!全然そういう意味で言ったんじゃないぞ!!」
だが、諸提督の頭の中には「困った時は村八分!!」というフレーズがキャッチコピーのようにエコーし続けていたのである。
「で、どうなんだ?何が問題なんだ?」
当のワーレンは自分の問題で一杯一杯だったと見え、今の話に食いつこうとしなかった。憔悴した顔を一同に向けながら、
「俺には息子がいてな。ちょうどいま7歳になる。俺の小さなころににそっくりなのだ。」
「良いではないか。かわいい盛りだな。」
ミッターマイヤーが羨ましそうに言う。
「あの老け顔のワーレンの少年時代ってどうだったのかしらね。今と同じ顔――。」
「しっ!!!」
ティアナったらとんでもないことを言ってくれるわね!!とばかりにティアナの口を押え「ん〜〜ん〜〜〜!!」とばたつく親友を抑えながらフィオーナは優しく促した。
「どうぞ続けてくださいね、提督。」
「ん?あ、あぁ・・・。それでな、息子が小学校に通っているんだが、そこで来週授業参観があるのだ。」
「良いではないか。たまにはそういったものに行って息子の頑張りぶりを見るのはいいことだぞ。」
と、未だ独身のケスラーが言う。お前が言うのか!!とビッテンフェルトはツッコミを入れたいそぶりを見せたが、アイゼナッハとメックリンガーが黙らせた。
「その中身が問題なのだ!息子が昨日の晩帰ってきてな、こういうのだ。『お父さんの趣味、なぁに?』と。」
とたんにシ〜〜〜ンとゼー・アドラーが静まり返った。周りの提督だけでなく、他の客までもが一斉に黙り込んでしまったのである。そんな中ワーレンの虚ろな声だけが店内に溶けていく。
「『作文に書いてみんなの前で発表しなくちゃならないんだけれど。』と。」
「・・・・・・・・・。」
「『僕、お父さんの趣味って見たことないんだけれど、何をしているの?』と。」
「・・・・・・・・・。」
「あの時ほど恥ずかしかったことはない!!俺の趣味は何なんだ!?何もないではないか!!ミッターマイヤー提督のような愛妻家ではない。(それは趣味か?とミッターマイヤーが首を傾げた。)ロイエンタール提督のような漁色家でもない(おい!とロイエンタールとティアナがツッコミを入れた。)ルッツのような射撃もできん!メックリンガーのような芸術に凝っているわけでもない!ケスラーのようなロリ――。」
「誰がロリだ!!」
ケスラーが憤然と立ち上がったが「まぁまぁまぁ!!」と諸提督にたしなめられた。ケスラーが20も年下のマリーカと付き合っているのは公然の事実なのである。
「余暇があればこうしてここにきて皆と酒をたしなんでいるだけ!!『父さんの趣味は飲酒です。』などと発表させた日には息子は笑いものではないか?!いや、駄目だ!!恥ずかしくてそん
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