第七話 炎の剣と氷の刃その四
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「あれは」
「そうだ、そしてそなたがだな」
「あの刀を抜かせてもらう」
「わかった、あの刀は天羽々斬という」
「雨羽々斬か」
「知っているのか」
「俺の国に伝わる刀だ、剣だったと思うが」
日本の神話ではとだ、英雄は述べた。
「しかしだ」
「それでもか」
「あの刀は知っている」
また神官に述べた。
「炎の神や八つ頭の大蛇を倒している」
「何でも水や氷を自由に扱えるそうだ」
「言われているのだな」
「そうだ、誰が最初に言ったかはわからないが」
「そうか、おそらくそれはこの世界の神々が伝えたことだな」
英雄は話が出たのはそこからだと考えていた、実際に。
「おそらくだが」
「そう言うのか」
「違うか」
「私もそうだと思う、言い伝えだが」
「誰が最初に言ったかまではだな」
「何でもあの剣は古の炎の神が刺したという」
神官もその剣、レーヴァティンを見つつ英雄に話した。
「そしてその時に人々に言ったそうだ」
「あの剣を抜けばか」
「その者が世界を救うとな」
「やはりそうか」
「大柄で全身が燃え盛っている神だったらしい」
「スルトか」
その神の名前もだ、英雄は言ってみせた。
「そうだろうか」
「わかったか」
「この世界では炎の神か」
「古のな」
「今の炎の神はロキか」
「ローゲともいう」
神官はロキの名をこうも表現した。
「その神が今の炎の神だが」
「古の炎の神はか」
「スルトだった、今の神々よりも遥かに古い神だ」
「先代の神か」
「そう思っていい」
「成程な」
「その神が刺した、そして刀はだ」
天羽々斬、この日本刀はというと。
「東の古の神が持っていたが」
「伊邪那岐と言わないか」
「そこもわかるのか」
「俺達の世界の話からしている」
エッダや古事記、そうした書からというのだ。前者は北欧神話後者は日本神話の書であり神話を今に伝えるものだ。
「それで言ってみせているが」
「まさにその通りだ」
「やはりそうか」
「あの刀は伊邪那岐という神が持っていたらしい」
神官は今度は天羽々斬を見つつ英雄そして久志に話した。
「そのうえであちらの炎の神を斬ったという」
「炎の神を斬る、つまりか」
「火は水に弱いな」
「それが出来る刀だからか」
「水だ」
それになるというのだ。
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