143部分:第十三話 曹操、袁紹と官渡で会うのことその五
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第十三話 曹操、袁紹と官渡で会うのことその五
「それは貴女も同じではなくて?」
「その通りね。十常侍かしら」
「そう考えるのが妥当でしょうけれど」
「麗羽様、御気をつけ下さい」
審配が彼女の横に来て言う。
「敵の数、多いです」
「曹仁さん、曹洪さん」
「ここは共闘ってことでいいよな」
顔良と文醜もそれぞれの武具を持ちながら二人に声をかける。
「敵の数、結構多いですし」
「そっちが嫌ならいいけれどな」
「いえ、こちらからも言おうと思っていたところよ」
「それはね」
言いながらだった。曹仁と曹洪も自分達の武具を出してきた。曹仁の武具は三つ又の鉾、曹洪の武具は二本の狼牙棍だ。夏侯惇も大刀を出し許緒もハンマーを出している。
そのうえでだ。それぞれ構えるのだった。
審配は袁紹の傍についてだ。そうして言うのだった。
「ここは動かれないで下さい」
「それがいいというのでしてね」
「はい、私達がいます」
真剣そのものの顔だった。右手には既に剣を持っている。
「ですから」
「ただ。我が身は自分で守らなければなりませんわ」
「そういうことね」
袁紹も剣を抜いていた。見事な大きな剣だ。
そして曹操もだ。その手に大鎌を持っている。二人も戦う態勢に入っていた。
そのうえで二人はだ。田豊達に言うのだった。
「貴女達は兵士達の警護を受けなさい」
「狙って来るのは私達だしね」
「ですがそれは」
「華琳様達が」
「心配無用ですわ」
「そのことは」
こう返す二人だった。
「伊達にこれまで生き残ってきたわけではありませんわ」
「そこで見ていなさい」
二人はこう言ってお互いに身構えるのだった。そこにだった。
白い装束の一団が出て来た。覆面までしている。服は何か怪しげな法衣に見える。
それを見てだ。夏侯惇の顔が曇った。
「貴様等、名を名乗れ!」
「・・・・・・・・・」
だがその一団は何も言おうとしなかった。沈黙しているだけである。
夏侯惇もそれを見てだ。それを当然の様に言うのだった。
「これも当然のことか」
「そういうことですね」
「こうした連中が名乗った方がおかしいしな」
顔良と文醜が彼女の横に来て言う。
「それなら夏侯惇さん」
「ここはな」
「ああ、私達三人で迫る敵を倒す!」
夏侯惇は高らかに言った。
「夏瞬!冬瞬!」
「ええ、春蘭!」
「わかってるわ」
二人もこう夏侯惇に返す。
「華琳様は私達が」
「何があっても御護りするわ」
「そういうことね。頼りにさせてもらうわ」
審配も言う。
「私達三人で麗羽様達をね」
こうして戦いがはじまった。夏侯惇達はすぐに敵に斬り込む。そのうえで次々と倒していく。
「うおおおおおおおおおおおっ!」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ