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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十八話 これが両雄の初対決になるでしょうか。(その1)
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られる視線が耐え難かったからではなく、こんな状況に追い込まれてしまっている自分が恥ずかしく、許せなかったからだ。
(前世前世前世!!そんなもの、何になるというの?!全然役に立たないじゃない!!)
指示は妨害電波の影響もあったが、比較的すぐに伝えられ、乗組員は総員脱出にかかった。残されたのは敵の砲撃で半ば残骸と化した母艦そのものだけだ。数瞬後には係留しているスパルタニアンもろともに火球となって四散するだろう。
「砲撃よ・・・・。」
疲れた声が出ていたが、それをティファニーは恥じた。こんな声を出すこと自体がどうかしているのだ。
「ビームもミサイルも・・・ありったけを、母艦に向けて撃ちまくりなさい!!」
という非常識極まりない指示は数瞬後に実行された。艦載機母艦にはスパルタニアンが無数に係留され、その燃料も満載されている。いわば動く火薬庫と言ってもよかった。ビッテンフェルト艦隊の中に入り込んだ即席の爆弾はあたりかまわず破裂し、思った以上の損害を出すこととなった。あたり一面に炸裂した無数の光球が明滅する。その光が旗艦艦橋に立つティファニーの顔を照らす。喜びのかけらもなく、ただ疲労感と嫌悪、絶望感に苛まれた顔だった。
ビッテンフェルト艦隊に有効打を与えたとはいっても、それとて全軍の1割強の被害を与えたに過ぎない。こちらは既に3割近い損害を出しているのだ。
「敵の足が止まりました!!」
という報告がもたらされた時、ティファニーは後退を決断した。もはや劣勢は決定的だった。この上は要塞の火力を共同歩調を取って敵の陣営に対抗するしかない。彼女は艦隊に要塞主砲射程内にまで後退を命じた。密集する主砲の斉射を浴びせかけ、その合間合間にありったけのミサイルをぶちまけながらの必死の退却が始まった。
一方――。
ヤン・ウェンリー率いる第十七艦隊は絶妙な位置から帝国軍の右翼であるアイゼナッハ艦隊に攻撃を仕掛けていた。ヤン艦隊の右には要塞が、そして左には航行不能な異常宙域が存在している。ちょうど細長い通路をヤン艦隊が「通せんぼ」している格好だった。大兵力を有するアイゼナッハ艦隊はヤン艦隊の3倍弱の戦力を有しているにもかかわらず、互角以上の戦いを強いられたのだ。
「・・・・・・・。」
アイゼナッハはしばらく顎に手をやった後、右手をゆるやかに前に振りかざし、ついでその腕を二度左九十度水平に曲げ伸ばしを繰り返した。
「ハッ!・・・前衛艦隊は主砲一斉射の後前進!左翼はそれに呼応して側面に主砲二斉射!!」
と、参謀長であるグリーセンベック少将が指示を伝える。グリーセンベックが不在の時には副官のグリース大佐が指示を伝える。このコンビネーションは絶妙な組み合わせであり、二人はアイゼナッハにとってなくてはならない人物となっていた。
他方のヤン艦隊で
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